2-4 実習
さて、いよいよ待ちに待った実習の時間。
「さて、やりますか。」
「あいよ。」
周りのクラスメイトが注目する中、紅薔薇と戒は的の前に立ち準備をする。
能力を使って的を壊す。簡単な事だ。周囲もザワついてきた…そろそろやるか、と同時にふぅ…と息を吐く。そして、的を壊すために能力を使用する。
「紅き薔薇の狂宴、手榴弾!」
「アイスクラフト、凍弾!」
お互い、別々の的に向かって放ち的を破壊。クラスメイトからは拍手が起きていた。そして、各々学年TOPより強くなろうと励んで行った。そして、沙羅は私のところに来て
「凄かったです!」と、目を輝かせて言った。それほどでも、というように自慢げに私は微笑んだ。
そして、その光景を学園の外の建物から双眼鏡で眺めている者がいた。それは、紅薔薇達がカフェで団欒していた時に居た男だった。
「…中々楽しそうな奴ですね。ボスが目を付けた人は。」
「当然だろう。ボスの目に迷いは無い。あいつをデッドキングに勧誘…いや、加入させろと言うのがボスの命令だ。如何なる手を使ってでも…な。」
その横にはカフェに男と共に居り、姉さんと呼ばれているデッドキングに所属している者がいた。姉さんと呼ばれている方は、寝っ転がっており男の方が状況を伝えているようだった。
「やつの能力は、我々の偉大なるある目的を叶えるのには最適の能力であるとボスは分析している。」
「僕たちの異能よりも凄い…か。まぁ、今は様子見ですね」
「ふっ、そうだな。」
その間、紅薔薇たちはというと…
「琴葉。あんたの能力見せてよ。」
「い、や、で、す」
「ケチケチすんなって。減るもんじゃないだろ?」
「黙ってろ?」
琴葉は、戒には般若のような形相でキレる。それを見た戒は、シュンとしてしまう。
なぜ能力を使いたがらないか。これには、琴葉しか知らないわけがあった。今は教えるときではないと思い、教えないだけなのだ。
「まぁ、いいや。もっと練習しようっと。」
紅薔薇はそう言い立つと、薔薇をナイフに変えて的に投擲した。その後、拳銃を使い的を破壊する。単なる暇つぶしでしか無かったが、それで暇が埋められれば良かった。
そんなことをしているうちに、チャイムが鳴り実習が終わった。
その後先生から、明日の指示が出されて放課後に入る。
とりあえず、この日は戒と沙羅が用事があるということだったため、琴葉と一緒に帰っていた。
この後…ある組織と会うとは知らずに…。
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