2-3 新しい仲間?

授業は数学だった。内容は、初歩的なものと思っていたが最初から3次式の展開とかいう数IIの内容が入ってきた。

自分は転生前は高二だが、学校で選んだコースでは数IIはやらない。しかも、私は数学が大の嫌いだ。前々から思っていたが社会人になって三次式の展開とか、一体どこで使うんだ。

大学くらいでしか使わないんじゃないかなんて思ってしまう。


(…眠い。何言ってんだか分かったもんじゃあない。)


そう思っていたが、次の瞬間コテンと机に頭を乗せて爆睡してしまった。

「キーンコーンカーンコーン」

起きたのは授業が終わるチャイムがなった時だ。起きると、黒板にはよく分からない問題やら数式が並んでいて頭がおかしくなりそうだった。

だが、これからは昼で、その後は実習。そう考えれば、多少は楽になった。あとは頑張ればいいだけだし。


昼は、購買部で買ったメロンパン。友達のかいと、琴葉ことはと一緒に屋上で食べる。ここには誰も来ないのでとっても開放感があって楽なのだ。更に、昼休みは何故か1時間ある。実習とかの準備があり、その関係でこうなったのであろう。

軽く雑談しながら、メロンパンを食べる。これが美味いのなんの。サクサクだし、甘いし、モチモチしてるし、食べていると空に飛び立てるような気がするのだ。

そう考えながら食べてると、コンビニ弁当を食べている琴葉から声をかけられた。


「そういえば…琴音ことね。さっき寝てたでしょ。」

「うっ…そ、それは…」

「あんま責めるな。寝るのは仕方ないだろ?」


隣でフランスパンを食べていた戒から琴葉に向かって言葉が飛ぶ。なんでフランスパンを食べているのかは知らないけども。

そんな話をしていたら、屋上のドアが開きいきなり女子がこっちに突っ込んできた。

ちょうど全員食べ終わった頃だったため、被害は特になかったが…。相手の容姿は、長い黒髪に眼鏡をかけた優等生感がある女子。1人で困惑していたが、いきなり口を開いて


「あなたが、紅薔薇べにばら琴音さんですか!?」

「え、そうですが…」


いきなり私の名前を言われ、そうですとしか言えなかった。


「仲間にしてくれませんか?!」


いきなりすぎる…。何だこの展開の早すぎるのは…。ひとまず、落ち着いて話を聞くこととしよう。

彼女の名前は、渡辺沙羅さら。能力は「ハック」で、機械やコンピュータを遠距離からでもハッキングすることができる能力らしい。学年は1年生で、まさかの同級生だった。

話を聞くと、強くなりたいという単純な理由で私の元に来たらしい…。まぁ、嬉しくはある。こんなことであれば喜んで引き受ける。

ざっと自分たちの自己紹介も終え、雑談をしていた。

時間が過ぎるのは早い、もう昼休みが終わり。


「そろそろ…時間ですね」

「じゃ、戻るか。あ、そうそう。実習の時間私たちのところに来なね。」


そう告げて、先に屋上を出る。

心の中では、面倒だとは思っている。だが、あんなに真剣にお願いされたら引き受けるしかないため、ここは引き受けたということらしい。

ひとまず頑張るかと、心の中で誓って実習の時間を迎える。

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