2-2 生徒会長 向井創
入学して次の日から生徒会室に来いと言われるとは…
まぁ、なぜ呼び出されたのかも分からないし、そもそも生徒会長の顔を見たことがない。だが、その道中での一歩一歩が何故重い。重りでもつけられてるのではと思うほどだ。
とりあえず、気をまぎわらせる為に
すると、戒は素直に答えてくれた。
「昔、不良でな。案外悪いことしてたんだよ。数人のグループ作って、毎日遊び散らかしてた。
で、ある日カツアゲをする為にテキトーに声をかけたんだ。そしたら…いきなり黒服の集団が来て…銃を突きつけられて捕らえられた。そして、奴らのアジトに連れていかれた…。ここから先は思い出したくもないな。」
なるほど…。恐らく、その先で幹部やボスと接触し情報を聞かされたという訳か。でもなーんか怪しいんだよな…。
正確な場所が示されてない。そもそも、カツアゲを堂々と街中でするもんか?いや、やりかねないが…能力者がいるこの世界でやろうもんなら返り討ちにされそうな気がする。となると、裏路地など人が少ない場所だ。
そうでないと、黒服の集団が来て銃を突きつけられる展開なんて起きないもんな。そういえばこいつ…学年1位は自分だと証明するとか言って襲ってきたよな…。
確かに気持ちは分からなくはない。だが、戦闘の際頭が悪いなんては思えなかった。いや、戦い慣れしていると言った方がいいか。そんなことが出来れば、彼が1位になってもおかしくないのでは?まぁ、色々考えると頭が痛くなる。今は考えるのを辞めておこう。
そして、生徒会室に着いた。アンティーク風の両開き扉で、上には
「生徒会室」
と書かれた看板があった。ここで間違いないらしい。ひとまず、ノックして入ることにした。
コンコンとドアを叩くと、低めの男の声で
「入れ」
と言われたため、ドアを開けて失礼しますと言って入る。
中は広く、ソファーにテーブル、本棚がありもはや家なのではないかと思ってしまう。その奥には、椅子に腰かけるショートヘアの男が座っていた。テーブルには、「
「新入生か。名前は?」
「私は
「俺は
「私は
ひとまず、自己紹介を終えてなぜ呼び出されたのかについての説明を待とうかと思ったが、戒のやつがここでやらかした。
なんせ、生徒会長の机に向かったと思ったらいきなりバン!と机を叩く。
「戒!お前!」
「生徒会長が俺らに何の用だ。」
「はぁ…やはり面倒な奴だな君は。」
そう創が言ったと思った次の瞬間。私たちは何故か生徒会室の入口にいた。状況が読み込めず、時間を見てみると時間が生徒会室に入る前の時間だったのだ。つまり、時を巻き戻されたということになる。
とりあえず、再びノックして部屋に入る。中身は変わっていない。そして、さっきみたく机の前に向かう。すると、創が話を始めた。
「お前たちを呼んだ理由はたった一つだ。お前たち、入学式で在校生代表として挨拶した
「はい…それがどうかしましたか?」
「あいつには注意を払っておけ。前々から動向がおかしくてな。
理由の1つとしては、入学した際に能力はデータとして管理して、誰がどんな能力を持っているかがわかる。
だが、やつはそれがない。そもそも、能力者なのにどんな能力か不明なんだ。そのため、どんな能力を持っているのかが分からない。」
創が言うには、彼女のみ能力が不明で実習も基本1人、授業にも全く出ておらず普段何をしているのかも不明とのこと。
そのため、私たちに警戒するように言っているのだろう。
「なるほど…要件はそれだけか?」
「あぁ、あと生徒会長の前では礼儀をわきまえろ。またさっきみたいにやるからな。」
全くその通りだ。戒には礼儀がなっていない…という訳では無いが、生徒会長に対しての態度があれだ。後で1発ぶん殴ってやりたい。すると、創が自分のことについて話し出した。
「ひとまず自己紹介が遅れたな。私は
「まっ…」
私がまだ話したいことがあり、待ってという前にときを進められ教室前の廊下まで来てしまった。
時間を操る能力…チートにも程があるな。まぁ、そうでないと生徒会長の座は務まらないのかと考えながら、教室に入る。今は休み時間で、ひとまず自分の席に戻って次の授業が始まるまで寝ることにした。
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