1-4 姉御呼ばわり
とりあえず、私服に着替えた後は2人で
数分ほど歩いたところに、高級感の溢れるカフェが見えた。
名前はカフェ・エンドウ。そして、店の前に立ち止まって暫く眺める。店名にあるエンドウは、どうやら花の名前らしい。花言葉は…なんだっかな。
「
「あ、ごめんごめん。つい考え事しちゃってて。」
肩を担いだまま、ポカーンと突っ立っていたため
そして、担いだまま外にある3人席に座る。とりあえず、戒が目覚めるまで話を聞き出そうにも出来そうにない…。それまでの間、メニューを注文して待つことに。
私が注文したのは、春の心満開いちごパフェ。
琴葉が注文したのは、春限定桜餅だ。ここはカフェでも、季節限定メニューとして和風の物も取り入れているらしい。
さて、いちごパフェはピンク色を基調としており、いちごのホイップ、いちごのトッピングなどなどといちご尽くしである。
一方の桜餅は、見た感じモチモチで餡子がしっかり詰まっていて美味しそうな見た目をしていた。自分も注文すればよかったと後から後悔している…。
まぁ、自分の注文したパフェも美味しいから良しとしよう。
「はっ、ここ…どこだ?」
「ん、目覚めたか。カフェだよ。カフェエンドウ。」
「…俺の服は濡れたままかよ。」
「当たり前でしょ!女が男の服脱がして着替えさせれるわけないでしょ!友達でもないんだし。」
やっと戒が目覚めた。ざっと、15分近くはかかったが死んでなくて良かった。というか、そこまで電圧高くないし。まぁ、元気で何よりだ。
ひとまず、なぜ襲ってきたのか話を聞くこととした。それがわかんないとなぜ襲ってきたのかが分からないし。
「なんで襲ってきた?」
「第一…俺はお前を倒したかった。そして、俺が学年1位に勝利したと自慢したかった。」
「2つ目は、なぜ入学試験の際、俺の方がお前より強かったはずなのに負けたのだということだ。勉強をしないで能力を磨くことのみをしていたというのに…」
…は?勉強をしないで能力を磨いていた?絶対勉強で負けたんだろそれは。あれは総合結果だし…話によると、こいつ入学試験の際に試験官を1人風邪にしたという話だし。
まぁ、氷を操る能力だが風も使えるしな。その影響だろう。そこが減点ポイントだろうな…。風の噂だから本当だか知らないけど。
「…勉強しろよ。そこで負けたんだろ。」
「うっ、そうだったな…。お前の言う通りだ…。」
「気を落とすな。元気出せ。」
目の前で思いっきり沈み込んでしまった戒を
とりあえず、こいつがこれからどうするかだ。友達になりたいというのかそれともまた戦えと言うのか。
「
「弟子ねぇ…は?!弟子?!」
「ぶふっ、ゲホゲホ…」
「
展開が理解できない。急に姉御呼ばわりされた挙句弟子にしてくれ?いやいや、お断りだよ。なんで弟子になる必要があるんだ。こっちが弟子になりたいくらいだよ。
そしてそれを聞いた琴葉は、食べながら笑ってむせるし。さっきまで大人しそうに桜餅を食べてると思ったら…。
「あのねぇ…弟子にする気は無いし姉御って呼ぶのもやめて。私はマフィアとかじゃないの。普通に友達として接してくれ。」
「はい…じゃあ、琴音で良いか?俺のことは戒でいい。」
「じゃあ私も友達になる〜!私は琴葉!気軽に琴葉や
「じゃあ…夜来と、琴音。これからよろしくな。」
異世界に来て初めての友達、最高だな!入学式早々から、学年TOP3が友達になるとは。これは飽きない生活が送れそうだな。一先ず、お互いの自己紹介を済ませてから会計を済ませて帰ることに。
「じゃ、また明日。学校終わったら一緒にここ来ない?」
「あぁ、明日は金曜日か。終わったら沢山話そうぜ!」
「はいはい、今日友達になったってのに…元気な奴だ事。」
2人とも琴葉の提案にのり、また明日も来ることに。明日は金曜日か…。まぁ、今は楽しむことだけを考えよう。
そう思って、この場は解散することに。カフェから紅薔薇の方を見る2人組がいるとは知らずに。
片方は、赤いロングに紺と水色のオッドアイの女性。服装は、スーツのようなものを着ており、黒い服のコートを肩掛けしていた。
もう片方は、ラフな服装で黒髪の好青年のような印象を感じる男性。
2人ともコーヒーを飲んで紅薔薇のことを見ていた。
「あれが、ボスが狙っている
「姉さん、
「失礼、名前を覚えるのが本気で苦手でな。だが、面白そうな奴ではないか。」
女の方は、優雅に紅茶を飲みながら話していく。だが、クールな雰囲気な割に名前を思いっきり間違えている。
それを部下らしき男に指摘されつつも、クールな雰囲気を崩すことは無い。そして、席を立ってカフェを出る。会計は既にすませたらしい。
「美味かったな。あそこのセンブリ茶は。」
「紅茶です。どうやったら紅茶とセンブリ茶間違えるんですか。もしかして…わざとやってます?」
「わざとでは無い!素だ!」
「はいはい…さて、ボスの命令通り行動を始めましょうかね。」
そう男の方が言うと、女の方は頷いて夜の道を歩いていく。
何故紅薔薇のことを狙っているのかは未だ不明である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます