第1章 学園生活の始まり
1-1学園に行こう
さて、家を出て数分後問題が発生した。道が分からない。いや、この世界に来てまだ少ししか経っていないから仕方ないのだ。だが、私には文明の利器であるスマホがある。これさえあれば、道に迷うことは無いはずだ!
「さて、異能学園と打てば出てくるかな…」
一先ず、異能学園とマップで調べる。すると、学園までのルートが出てきた。ここから15分なので、ゆっくり行くことにした。向かっている間、友達が出来るか。どんな人がいるのか。無事に卒業出来るのだろうか。と言ったことを考えながら歩いて行った。その道の途中、曲がり角があるところに差し掛かった。
ここで、イケメンとぶつかって、恋が始まるみたいなことを想像してみた。それを期待して歩いていく。笑顔だ。周りが見れば、よほど嬉しいことでもあったのかというくらい笑顔。
だが、そんなことがあるわけが無い。分かってはいた。分かってはいたが…なんか悔しい。なんだろうこの気持ち。虚しい…。
「まぁ…そんな展開あるわけないよねー…。」
「危なーい!」
ガックリと肩を落とす。それと同時に後ろから女性の声が聞こえた。声がしたため、振り向いたがそれと同時に人が突っ込んできて真正面からぶつかる。
自分が下になり、いい感じに背中に背負っていたバックがクッション代わりとなり、自分は怪我をせずに済んだ。一方の相手は、自分の体にいい感じに乗っかったらしく、怪我はない。良かった、これで怪我をさせていたらどう責任をとろうかと考えていたのだから。
「すみません…って、琴音?!小学校ぶりだね♪」
「え、だ、誰?どちら様ですか…?」
いきなり小学校ぶりだとか言われても何が何だか自分には分からない。咄嗟に、どちら様ですかと口にしていた。頭には?しか浮かばない。
「誰って…幼なじみの顔も忘れたの?私だよ私。
「琴葉か!あーあー思い出したよ!まさかこんな形で再会するなんてねー♪」
思い出した…というか、話を合わせた。こうでないともっと訳が分からなくなるからだ。だが、まさかの学年3位の夜来琴葉と幼なじみだったとは…。これも何かの運命か。まさかね…。
「一先ず…大丈夫?ほら、手貸すから」
「ありがと〜。琴音の手温かいね〜。」
「あ、ありがとね…。」
1回立ち上がり、琴葉に手を差し出す。そして、温かいと言われて顔を赤くしてしまう。だが、ちゃんと感謝は述べる。そんなことよりも学園に向かわなくては。
別に時間はまだまだある。ゆっくり行こう。とりあえず、琴葉と会話をしながら学園に向かっていく。まぁ、特にたわいもない会話なのだが。
「さて、そろそろ着くかな〜。」
「だね。」
そうして、学園の目の前に着く。写真と実物では大きく違う。ここから…私の学園生活が始まっていくのだろう。
そう思うと、とても楽しくなってきて思わず口角を上げてしまう。周りから見たら、ニヤリとしているようにしか見えない。
「…ふふ。その癖…相変わらずだね♪楽しくなると、ついニヤリってしちゃうの。」
「そ、そうかな…。そんなことより、早く行くよ!」
そう言って、琴葉を急かすようにして学園の中に入っていく。
その後に、やばいことが起きるとは知らずに…。
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