第361話
俺は巨大な階段を降りて、恐々と先へと進む。
アロが横に並んできたので、鼻先で指示して下がっている様に命じた。
この先は何があるかわかんねぇからな。
トレントさんは何も言わなくても大きく後ろの方から、そろりそろりと進んでいた。
さっすがトレントさんは物分かりがいいというか……よすぎてちょっと寂しいというか……慎重なのはいいんだが、ううむ……。
地下へ進んだ先は暗い……かと思いきや、奥の方に、火の光の様なものが見える。
……燭台でもあんのか?
やはりアダムの地下王国説が俺の中で濃厚になってきたところで、奥から、圧倒的な存在感が漂ってきた。
今まで、気配を伏せていたようだった。
ビリビリと、強烈な圧迫感が体表を刺す。
い、威圧されてね? 引き下がった方がいいのか?
間違いなく、先にいるのはアダム以上の何かだ。
まさか、神の声の主か?
あれこれと意志をぶつけてきてる以上、俺に何らかの誘導をしたい奴がいるのは間違いねぇ。
それがいるとしたら、世界の果て……な~んて言われてるこの場所は、間違いなくぴったりだ。
……お、おい、相方、どうすっよ?
『アア? ココマデ来テ、オレニ聞クノカヨ……』
い、いや、お前の直感って、結構当たるし……。
『チラット見ルダケナラ問題ネェンジャネ?』
思ったより毒にも薬にもなんねぇような答えが返って来た……。
うーむ……でも確かに、襲い掛かってきてもアロ達連れて逃げるくらいならできると思うんだよな。
さすがに俺がワンパンされることはねぇだろうし、そんなヤベー奴なら俺がここに足踏み入れた時点で直々に攻撃に来てそうだし。
俺が悩んでいると、ふっと頭に思考が割り込んできた。
『久しいぞ。アダム共を相手取り、無事でいるのはな。この島のものではないな? 近うよれ』
ね、〖念話〗のスキル!?
招かれてる!?
ただの〖念話〗だが、かなりの重圧感だ。
こんな感じ、初めてだ。最低でもアダム以上だから、A-以上は確定だ。
この感じ……神の声ではなさそうだ。
『早くしろ、待たせるでない』
声に苛立ちが入ってきた。
あまり気が長い性質ではなさそうだ。
は、はい……。
『生意気ナ野郎ダナ。喰ッチマオウゼ』
ガチガチと相方が牙を鳴らす。
せ、せっかく友好的なんだから、下から行こうぜここは。
『舐メラレテンダヨ』
そうかもしれねぇけども……!
実際格上だぞ、アダムぽいぽい使役してて、あのトリオ倒した相手を前に平然としてんのは。
俺だって、アロ達が引き付けてなけりゃ、仕留めきれなくて逃げ帰ってたと思うぞ。
俺がすごすごと進んで行くと、大広間に、いくつもの燭台が並んでいるのが見えた。
そしてその奥に、俺よりも一回り大きい、紫のギラギラと光る体表を持つドラゴンが座っていた。
牙も図太く、爪も大きい。
四枚の翼を持っており、体表がかなり分厚そうだ。
なな、なんだ、コイツ……?
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
『エルディア』
種族:ディアボロス
状態:通常
Lv :130/130(MAX)
HP :1697/1697
MP :1316/1316
攻撃力:1510
防御力:835
魔法力:1109
素早さ:1139
ランク:A
特性スキル:
〖竜の鱗:LvMAX〗〖グリシャ言語:Lv7〗〖飛行:LvMAX〗
〖闇属性:Lv--〗〖邪竜:Lv--〗〖HP自動回復:Lv6〗
〖MP自動回復:Lv6〗〖忍び足:Lv6〗 〖気配感知:Lv8〗
〖王の魔眼:Lv8〗〖神の声:Lv1〗
耐性スキル:
〖物理耐性:Lv8〗〖落下耐性:Lv8〗〖飢餓耐性:Lv7〗
〖毒耐性:Lv9〗〖魔法耐性:Lv9〗〖恐怖耐性:Lv5〗
〖麻痺耐性:Lv6〗〖幻影耐性:Lv6〗〖即死耐性:Lv9〗
〖呪い耐性:Lv8〗〖混乱耐性:Lv6〗〖強光耐性:Lv5〗
〖孤独耐性:LvMAX〗〖睡魔耐性:Lv3〗〖闇属性耐性:Lv7〗
〖火属性耐性:Lv6〗〖水属性耐性:Lv6〗〖土属性耐性:Lv4〗
〖光属性耐性:Lv6〗〖雷属性耐性:Lv6〗〖風属性耐性:Lv7〗
〖氷属性耐性:Lv4〗
通常スキル:
〖転がる:Lv6〗〖灼熱の息:Lv7〗〖凍てつく息:Lv8〗
〖ドラゴンテイル:Lv8〗〖咆哮:Lv5〗〖人化の術:Lv7〗
〖自己再生:Lv5〗〖念話:Lv4〗〖ドラゴフレア:Lv7〗
〖落雷:Lv8〗〖フィジカルバリア:Lv7〗〖マナバリア:Lv7〗
称号スキル:
〖災害:LvMAX〗〖竜王:Lv--〗〖厚き鱗を纏う者:Lv--〗
〖元魔王の配下:Lv--〗〖永きを生きるモノ:Lv--〗〖最終進化者:Lv--〗
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
つ……つっよ!?
こ、【攻撃力:1510】!?
俺の1.5倍近くあるぞ。つーか、俺でもちょっと連続攻撃もらったら余裕で死ねる。
こんなのが地下にいたのかよ。
俺が呆然としていると、相方が俺へと鼻っ面で突いて来る。
『ンナヤベーノカ、アレ?』
そ、そりゃヤベーよ。
今から逃げるのも難しいぞ。
ぶっちゃけ単純な戦闘なら俺の強化版だぞ。
この世界、HPやMPよりも攻撃力と素早さ、状態異常なところあるし。
その点あのドラゴン、アホみたいに攻撃力も素早さも高い上に、耐性ガチガチだ。
小細工なんか通じる余地もねぇし、マジで勝てる要素がねぇぞ。
つーか、よくこんなのが……ん?
アレ、なんかあの称号見たことあるな。
〖竜王〗、竜王、えぇっと……ああ、俺のスキルに〖竜王の息子〗ってあったな。
耐性上がったり、レベル上がりやすくなる奴。あれと関係あんのかな……ん?
え、パパ?
ひょっとして今世の父親!? アレが!? あの滅茶苦茶厳ついバケモンが!?
『そう脅えなくとも、取って喰おうというわけではない。あのアダム共は我の下僕であったが、いくらでも替えの利く存在よ。それとも……この我相手に、戦いを挑もうというのならばそれもよかろう。過去にただ一人、我に戦いを挑んだ人間がおったな。無論、すぐに八つ裂きにしてやったが』
紫紺に輝く鱗を持つドラゴンは、そう言って俺へと牙を見せつける様に口を開く。
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