第119話
とりあえず、Lvが上がったからステータスの確認だな。
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〖イルシア〗
種族:厄病竜
状態:通常
Lv :29/75
HP :182/293
MP :41/213
攻撃力:266
防御力:191
魔法力:182
素早さ:172
ランク:B-
特性スキル:
〖竜の鱗:Lv5〗〖神の声:Lv4〗〖グリシャ言語:Lv3〗
〖飛行:Lv5〗〖竜鱗粉:Lv4〗〖闇属性:Lv--〗
〖邪竜:Lv--〗〖HP自動回復:Lv3〗〖気配感知:Lv2〗
耐性スキル:
〖物理耐性:Lv4〗〖落下耐性:Lv5〗〖飢餓耐性:Lv4〗
〖毒耐性:Lv5〗〖孤独耐性:Lv6〗〖魔法耐性:Lv3〗
〖闇属性耐性:Lv3〗〖火属性耐性:Lv2〗〖恐怖耐性:Lv2〗
〖酸素欠乏耐性:Lv3〗〖麻痺耐性:Lv2〗
通常スキル:
〖転がる:Lv6〗〖ステータス閲覧:Lv6〗〖灼熱の息:Lv5〗
〖ホイッスル:Lv1〗〖ドラゴンパンチ:Lv3〗〖病魔の息:Lv3〗
〖毒牙:Lv3〗〖痺れ毒爪:Lv4〗〖ドラゴンテイル:Lv1〗
〖咆哮:Lv2〗〖星落とし:Lv2〗〖くるみ割り:Lv3〗
〖人化の術:Lv4〗〖鎌鼬:Lv2〗〖首折舞:Lv3〗
称号スキル:
〖竜王の息子:Lv--〗〖歩く卵:Lv--〗〖ドジ:Lv4〗
〖ただの馬鹿:Lv1〗〖インファイター:Lv4〗〖害虫キラー:Lv3〗
〖嘘吐き:Lv2〗〖回避王:Lv2〗〖救護精神:Lv6〗
〖ちっぽけな勇者:Lv5〗〖悪の道:Lv6〗〖災害:Lv5〗
〖チキンランナー:Lv2〗〖コックさん:Lv4〗〖卑劣の王:Lv4〗
〖ド根性:Lv2〗〖|大物喰らい(ジャイアントキリング):Lv1〗〖陶芸職人:Lv4〗
〖群れのボス:Lv1〗〖ラプラス干渉権限:Lv1〗
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うしうし、結構上がるもんだな。
前みたいに途中から一気に上がり辛くなってきそうな気もするが。
後46上げたら次の進化……か。
次、真っ当な進化先あるよな?
厄病竜になっちまった時点でなんかアレな気もすっけど……。
まぁ、考えても仕方ねぇ。
〖救護精神〗と〖ちっぽけな勇者〗のスキルLv上げるよう心掛けるしかないな。
〖救護精神〗のお蔭で回復魔法の取得条件緩和されたみたいだったし、玉兎先生に弟子入りして〖レスト〗を教えてもらおう。
しかしHPはこんなもんだとして、MP消費がやっぱし多いな。
〖鎌鼬〗連射し過ぎたせいか。
今まで肉弾戦ばっかだったから気にしてなかったが、もうちょっと考えて使うとすっか。
いざというとき空っぽでした、みたいなのは嫌だし。
そこまで苦戦する相手でもなかったからな。
〖クレイ〗の直撃もらってたらキツかったかもしれんが。
ま、反省はこの辺でいいか。
ちゃっちゃっと持てるもん持ってサボテンを回収するとすっか。
刺さらないように気をつけながら、針ラクダの全身から針を抜いていく。
大まかに抜き終わってから、脚の部位や大きめのコブの部分を切り離す。
本体を解体しちまうと、次来たときに日光に晒されて全部蒸発してそうだからな。
一部を持って帰った後、またニーナと玉兎を連れて戻ってきたいし。
せっかくこれだけデカイ獲物仕留めたのにほとんど干乾びましたとか悲惨過ぎる。
ニーナと玉兎連れてきたら、しばらくはこの巨大サボテンを拠点の中心にしたい。
ちょっと硬いけど、針抜いたサボテンの皮とかニーナの寝床に使えそうだし。
砂の上よりは絶対マシだろ。
解体が終わってから、問題点が出てきた。
運ぶ手段がない。
これ、腕に抱えて転がったらほとんどその辺に捨てることになるぞ。
かといって抱えて歩いてたらかなり時間が掛かる。当初予定してたより遠くまで来ちまってるし。
仕方がねぇ。
口の中に頬張って転がって帰るしかないな。
ちょっと嫌がられるかもしれんが、背に腹は代えられん。
水分なしってのは絶対キツイだろ。
俺は切り離したサボテンを大量に口に含み、〖転がる〗で玉兎の待っているはずの場所へと移動する。
これが結構苦しい。
息し辛いし、喉の奥をサボテンの皮がめっちゃ小突いて来て吐きそうになる。
あ、今間違えてちょっと呑み込んじまった。
鼻に回ってきた! 死ぬ、死んじゃう! 一回止まる!
四苦八苦しながらも、自分の転がった跡を辿ってなんとか帰還する。
途中で二度ほど死にかけた。
ニーナはすぐに見つかった。
俺が出発したときと同様、玉兎が喰らい尽くしたサボテンの残骸を下に敷いて横になっている。
ただ、玉兎の姿がない。
口が塞がっていて声が出せないため、足で軽く地を踏み鳴らして音を立てる。
もぞもぞと近くの砂が動き、中から玉兎が現れた。
玉兎の口から、砂でできた海老の様な尻尾が覗いていた。
じっと見ていると、尻尾がひょいと口の奥に引っ込む。玉兎は口をもぞもぞと動かして噛み砕き、ゴクンと呑み込む。
何事もなかったかのように「ふへっ」と一声。
何かの体液なのか、口周りは緑の飛沫でわずかに汚れていた。
コイツ、外見によらず結構逞しいぞ。
Lvもひとつ上がってやがる。
つーか護衛頼んでたつもりだったんだけど、地中潜って餌狩ってたのか……。
……ああ、うん。
結果的に無事だったみたいだし、別にいいんだけどさ。
「ぺふっぺふっ!」
玉兎が俺の足許へと嬉しそうに駆け寄ってくる。
それはさながら長期単身赴任していた父親に土産をねだる愛娘のようであった。
……真っ先に連想するのがそれって、俺、どんな前世だったんだ。
ぐ、と奥歯に力を入れてから下を向き、口の中のものを地の上に吐き出す。
俺の唾液に塗れる、サボテンの山。
一瞬ピンと伸びた玉兎の耳が、強烈なショックを受けたかのようにだらりと下に垂れる。
その後またすぐに耳に力を入れ、ぺしぺしと叩いてくる。
的確に針刺さってできた傷口を攻撃してきやがる。
悪かった! 悪かったって!
ちょっと離れたところにはサボテンの山があるから! すぐに連れてってやるから!
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