第5話
ぷはーうめぇっ!
卵の姿の時は水飲みづらくて仕方なかったからな!
罅割れに必死に流し込んでたもん!
ようやく生まれたような気分だ! 今まで卵だったからな!
湖で水を飲んでいると、後ろから何か、嫌な物音が聞こえてきた。
そぉっと振り返ってみると森奥に数多の影が見える。
「シャァー!」「シャァーッ!」「キシャァーッ!」
「シャシャシャ!」「シャシャァー!」
おいおい、ダークワームの大群じゃねぇか!
俺が湖に来た経路を辿ったように一方向から現れる。
20体もいやがる。
おうおう壮観じゃねぇかよ。
あ、ひょっとしてあれか!
俺が倒したダークワーム、最期に妙な鳴き声を上げていたように思う。
確かダークワームのスキルの中に〖仲間を呼ぶ:Lv2〗があった。
最期に嫌がらせしていきやがったなアイツ。
おいおい、なんて量だよ。
一体倒すのに俺がどれほど苦労して……とは思うが、不思議と胸が躍る。
負ける気がしねぇな。悪いが、卵と今じゃあ全然違うんだよ。
囲むよう襲いかかってくるダークワームに対し、俺は熱風の息を吐き散らす。
進化によって得た〖ベビーブレス〗だ。
前方にいたダークワームはその場にひっくり返って苦しがる。
効いてる効いてる。
俺はひっくり返っているダークワームに突撃し、思いっ切り腹を踏む。
「ギシャァーッ!」
そのまま踏み込み、後列のダークワームに掴みかかる。
おらおら、来いよ。
噛まれても全然痛くねぇぞ。
卵のときと一緒にすんじゃねぇーぞ。
四方八方からダークワームが襲ってくる。
俺は身体を勢いよく捻り、それらを弾き飛ばす。怯んで腹を見せたダークワームを殴り飛ばす。
更にもういっちょ、ベビーブレス!
弱っていたダークワームが次々に力尽きていく。
4体くたばったから、残りは16体か。
どうした芋虫、そんなもんかよっ!
【経験値を48得ました。】
【称号スキル〖歩く卵:Lv--〗により、更に経験値を48得ました。】
あれ、〖歩く卵〗の称号まだあったの?
なくなったのは……〖卵の殻〗の殻の特性だけか。
なんだ、この経験値2倍ボーナスずっと続くのか?
それちっとチート臭くね?
【〖ベビードラゴン〗のLvが1から7へと上がりました。】
【称号スキル〖インファイター:Lv1〗を得ました。】
【通常スキル〖ドラゴンパンチ:Lv1〗を得ました。】
お、一気に力が漲ってくっぞ!
芋虫がたじろぐが、逃がさねぇぞ! 全員まとめて俺の経験値にしてやんよ!
地面を蹴って飛び掛かり、片っ端から芋虫を蹴る、殴る。
ダークワームに拳を噛みつかれたが、歯が皮膚を通らない。
そのまま殴り抜いてやんよ。
くらえ、〖ドラゴンパンチ〗だぁっ!
拳が火を纏い、ダークワームの歯を砕いてぶっ飛ばす。燃えながら宙を飛び、後ろにいたダークワームを巻き込んで行く。
「「アジャァアアッ!」」
2体片付いたか。
この調子でどんどん掃除してやろう。
千切っては投げ、千切っては投げを繰り返す。
かつての好敵手ダークワームなど、進化した俺にとっては経験値でしかない。
「キジャアッッ!」
最後の1体を〖ドラゴンパンチ〗でぶっ飛ばす。
五分と経たぬうちに20体のダークワームをすべて処分できた。
Lvが上がるごとにパワーアップしていく感覚がよくわかる。ベビードラゴン十分強いじゃん。
【経験値を12得ました。】
【称号スキル〖歩く卵:Lv--〗により、更に経験値を12得ました。】
やっぱこの卵チートじゃね?
バンバンLv上がるの絶対これのせいだろ。
次はLv25で進化だったか……案外、すぐに来そうだな。
【〖ベビードラゴン〗のLvが14から15へと上がりました。】
【称号スキル〖インファイター〗がLv1から2へと上がりました。】
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種族:ベビードラゴン
状態:通常
Lv :15/25
HP :3/57
MP :1/55
攻撃力:51
防御力:35
魔法力:48
素早さ:35
ランク:D-
特性スキル:
〖竜の鱗:Lv1〗
〖神の声:Lv2〗
耐性スキル:
〖物理耐性:Lv2〗〖落下耐性:Lv3〗〖飢餓耐性:Lv2〗
〖毒耐性:Lv2〗〖孤独耐性:Lv2〗
通常スキル:
〖転がる:Lv2〗〖ステータス閲覧:Lv1〗〖ベビーブレス:Lv1〗
〖ホイッスル:Lv1〗〖甘噛み:Lv1〗〖ドラゴンパンチ:Lv1〗
称号スキル:
〖竜王の息子:Lv--〗〖歩く卵:Lv--〗〖ドジ:Lv2〗
〖ただの馬鹿:Lv1〗〖インファイター:Lv2〗〖害虫キラー:Lv1〗
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
順調順調。
進化やLvアップで回復しないらしく、HPが少しヤバ気に見えるが。
少し回復するまで休んだ方が良さそうだ。
素早さの上昇値が下がってきたのが気になるところか。
まあ、この体型はスピード特化って感じじゃないが。
なんだ、案外すぐ頂上なんか取れちまうかもしんねぇな。
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