第三話 助言
(どうすればアンネリアが元に戻ってくれるのか……)
ミリアーノは真剣に悩んでいた。
しかし、どうすればこの問題が解決するのかの答えをもってはいなかった。
(こうなったら誰かに助言をもらうしかない。誰がいいか。そうだ! 学園長に相談してみよう。あの方ならきっと良い助言をくれるはずだ)
そうしてミリアーノは学園長のもとに向かった。
「学園長、アンネリアのことで相談があります」
「私の耳にも入っていますよ。何やらとても酷いことをされたとか」
「そうです。婚約を一方的に破棄して、レンツィオとツィアーナが婚約するというのは本当らしいのですが、話が大げさになっているそうです。そして話を大きくしているのはアンネリア自身らしいのです」
「ほう? アンネリア自身が噂を大きく? 彼女らしくないですね」
「そうです! 僕はなんとかいつものアンネリアに戻って欲しくて相談にきました!」
「そうですか。きっとアンネリアは本当にショックだったのでしょう。残念ながらそのくらいショックを受けているなら簡単には立ち直らないかもしれません」
「ではどうすれば……。幼馴染のそんな姿をこれ以上見ていられません」
「ミリアーノ、あなたはアンネリアを幼馴染としてだけ見ているのですか? それともひとりの女性としても見ていますか?」
ミリアーノは急な質問に少し驚きの表情を見せた。そして少し考え込んでからゆっくりと答えた。
「きっと……幼馴染としてだけではありません。女性として見ています。今回のことでわかりました。僕はアンネリアが好きです」
それを聞いて学園長は微笑んだ。
「それならばなんとかなるかもしれません。本来であれば時間が解決する問題です。失恋の傷は時間が解決するのです。しかし、別の愛で上書きすることもできるのですよ」
「別の愛ですか? 学園長、僕は何をすれば?」
「簡単なことです。あなたの想いを彼女にぶつけなさい。ぶつけても上手くいかないかもしれません。拒絶されるかもしれません。それでも想いを伝えなさい。きっとアンネリアの心に変化が現れるはずです」
「変化ですか。わかりました! やってみます! この想いをぶつけてみます!」
「ミリアーノ、あなたならきっと大丈夫。頑張ってください」
「はい! ありがとうございます学園長!」
やるべきことがハッキリしたミリアーノは決意を固くした。
そして、ミリアーノはアンネリアを呼び出した。
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