好きな子
江坂 望秋
僕が好きなあの子はとっても可愛らしい。
伸ばした髪の毛を、後ろで一つに結び、おでこは前髪を伸ばして隠し、眉毛に少しだけ掛かっている。その眉毛は細くて、でも、目は大きくてキラキラしている。お鼻はシュッと高くて、外人さんみたい。唇は張りのある様は、まるで魅力で引き寄せるように。
そんな僕が好きなあの子は今日の帰り、僕の嫌いなあいつと一緒に帰っていた。変な髪型の、変な顔のあいつと帰っていた。
僕は悲しくなって、でもどんな仲か気になって、気付かれないように十メートル後ろから追跡した。
──僕は家に着くと、急いで部屋に入った。そして、机の椅子にさっと腰掛け、鼻で荒い呼吸を続けた。僕はふっと降りてきた幸せを楽しんでいるのだ。
好きな子 江坂 望秋 @higefusao_230
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