その2 えとりの周囲の大人

・北廉 天儀(ホスガ てんぎ)50代

 えとりの父。ようじの養父。羅城大学学長。心理学教授。専門は異常心理学、犯罪心理学。

 心理学がかすればあらゆる分野、学会で名が知られる権威。羅城大学看板教授。大学側が教授を離したくないがために、教授専用の研究棟と居住空間を提供してしまったほど。予算の無駄遣いだと申し入れているが聞き入れてもらえない。

 天才博士同様崇められる立場にいるが、養子のようじを「ユリウス」と呼び、盲目的に付き従っている。外見はえとりにそっくりで、差異は眼鏡の有無と身長。えとりをして「タイムマシンでやってきた未来の自分」と言わしめるほど。えとりに誰かを重ね体を求める。

 ユリウスの研究所で何者かに腹部を刺され、血まみれで倒れていたところをえとりが発見。としきの手術で一命は取り留めたが、それ以後体調を崩し表舞台に現れなくなる。



・結佐 鳳晟(ユサ ほじょう)50代

 正親(オオギ)病院精神科部長。精神科医。えとりの主治医。

 職場を転々としていた所をユリウスに拾ってもらった恩があり、望まぬ伝書鳩代わりもしていることでとしきの怒りを買っているが、本人としては甚だ迷惑なだけ。加えてユリウスには困難事例ばかり押し付けられるので、なかなか自宅に戻れないことも嘆きの種。

 三重出身。少年時代に出会ったとある人物に気に入られたがために長年に渡ってストーカー被害を受け、当時結婚していた元世界的モデルと不本意ながらも離婚させられる。来るものは拒まず、去る者は追わず、老若男女問わないらしいが、たったひとり、上記人物のみは生理的に受け付けられないらしい。現在の恋人は売れっ子ピアニストだが、相手はピアノに夢中すぎてあまり構ってもらえていないのが不満。EDENシリーズ『ゆろびと微笑んで』或いは『ハリキリゆびきりゆびのみゲンマン』参照。

 無精ひげに眼鏡の痩せぎすの猫背。歯に物が挟まったような独特の喋り方のため、初対面の人は面食らうかイライラするかのどちらか。一度見たら1週間は消えてくれない独特の笑い顔もあるが、初対面ではそれが笑顔だと気づけない場合のほうが圧倒的に多い。不真面目でいい加減そうに見えるが相手を油断させてボロを出させる本人の常套テクニックの一つなので惑わされてはいけない。

 『亡き増す喰え吸うで』(EDENシリーズ番外編)主役。



・三仮崎 訪久(ミカサキ おとひさ)40代前半

 羅城大学心理学部助教授。専門は臨床心理学。カウンセラの経験もある。

 東京出身。名古屋の大学で助手をしていたが、指導教授の代理で参加したとある学会で偶然北廉教授と言葉を交わす。その縁で、北廉教授が体調不良の際に是非にと代理講師として指名を受けたことがきっかけで羅城大学に足を踏み入れることとなる。

 椎多の夫。両者の希望により、婚姻関係は学生側には伏せられている。北廉教授が大学側に申し入れているお陰もあって、両者ともに羅城大学に居続けることができている。但し、互いの研究室は遠い。

 見た目がいいうえにそこそこ金持ちなので、椎多と結婚するまでは決して少なくない女性と関係があった。としき曰く、「とっかえひっかえなので、同じ女を連れている姿を見たことがない」と。コーヒー好き。コーヒー嫌いのとしきの前で飲むコーヒーは格別だとか。

 3歳下のとしきを「先輩」と呼ぶが、これは彼がとしきに取り入るための作戦。まんまと引っ掛かってくれて本人としては大いに満足だが、自分の本当の想いに気づいた時、彼はもう引き返せないところまで来ていた。

 『抜く零落ち度』(番外編)主役。



・椎多 藍舞(シイタ らだむ)30代後半

 羅城大学心理学部助教授。専門は社会心理学。北廉教授の元助手。女嫌いのえとりが好感触を抱いている唯一の女性。にうゆの姉。

 赤系の縁の眼鏡。スーツはタイトミニ。髪型はショート。よく言えばさっぱりとした性格だが、悪く言えば冷淡。自分でもわかっている。研究しか能のない色気のない女だと。

 三仮崎の妻。三仮崎の本命が誰か気づき、自分を追い込んでしまう。周りの人間がどんどん不幸になるのは自分のせいだと。



・日口 丹夕(ヒグチ にうゆ)30代

 らだむの妹。本名は椎多 紅深(くおみ)

 腐女子。同人作家。文字書き。昼間はメイドカフェでバイトする。メガネっ漢見守り境界界長。

 『うきまだり』主役。



・守煕 知架生(モリヒロ ちかお)30代

 としきの父違いの弟。本名は艮蔵 空渡(あきと)

 RPG『AURUM FLAVUS』(アウラム・フレイヴァス)をたった一人で創った知る人ぞ知る伝説の人(レジェンド)。RPG好きの兄としきに喜んでほしい一心だったが、正直本人もここまで売れるとは思っていなかったので嬉しい誤算。シリーズは全4作発表しており、コンシューマ化やメディアミックスの呼び声もとめどなくあるが、唯一、格闘ゲームにする企画だけは本人も承諾し、現在制作中。



・紅台 李晴(クレタ りいせ)(本人の強い希望により年齢不詳)

 教授になったえとりの秘書。『きたなむとりがなく』以降の時間軸に登場。

 2~3次元に渡る広範囲オタ。黒髪・眼鏡・白衣の三種の神器に眼がない。要はえとりの外見が尊すぎて直視しまくっている。年2回の祭典には必ず足を運ぶ。準備室のコピー機を私的利用し毎度紙を詰まらせるので、インクまみれの所をえとりに発見されるまでがワンセット。

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