疑心暗キーマ

 「疑心暗キーマ」とは古代中国の書物『列子』に記載された話が元となっている言葉です。(嘘)


 あるカレー好きの男が定食屋に入りました。


 メニューを見ていたところ、「キーマ」という単語を見たので、男はノータイムで注文しました。


 しかしメニューを改めて見てみると「キーマ」としか書いておらず、どこにもカレーとは書かれていないことに気付きました。


 男はキーマとはキーマカレーのことだと思って注文したのですが、カレーが出てくる保証はないということに戦慄しました。


 キーマとはヒンディー語で「細かいもの」という意味。決してカレーとは限りません。


 仮にそぼろ丼が出てきたとしても男は文句を言えません。


(ま、まさかな……キーマって言えばキーマカレーだよな……?)


 男はもう一度メニューを見ましたがそこにはキーマとしか書かれていません。それどころか普通のカレーライスすらありませんでした。


(カレーライスを売らず、キーマカレーだけ売る定食屋があるだろうか……)


 男はキョロキョロと周りを見ましたが、他にカレーを食べている客はいません。


 男は恐ろしくなりました。


 自分は一体何を注文したのか、厨房では何が作られているのか、何が運ばれてくるのか、そもそもキーマカレーってカレーなのか……?


 数分後、悶々としている男の元に店員が運んできたのは普通にキーマカレーでした。


今日の故カレー事成語

「疑心暗キーマ」


意味

 キーマカレーがメニューにあったらついつい頼んじゃうよね。 

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