第17話【三淵藤英《ミツブチフジヒデ》】

第17話【三淵藤英ミツブチフジヒデ


足利将軍家の御威光は後ろ盾あってこそにもかかわらず我が主君・義昭様は自覚されながらお認めにならず、織田信長との関係は冷え切っていた。

程なくして元亀4年(1573年)堪えきれなくなった義昭様は蜂起された。

私はこれに従った。

が、まともに従ったのは私くらいであり他の者はあっさりと信長に降った。

7月3日に始まり二条城に籠城すること7月12日までで織田の将・柴田勝家の説得に従って降伏した。

後に伏見城へ帰還するも義昭様は織田信長の勘気に触れたか遂に京を追われた。

これにより織田信長に従うより道は無くなった。

「三淵殿、主より書状に御座る」

信長よりの書状には嫡子共々自害せよと端的に指示があった。

「是非に及ばず。主命に従いまする」

口惜しや...


三淵藤英ミツブチフジヒデ】自害(享年不詳)

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