第16話【清水宗治《シミズムネハル》】

第16話【清水宗治シミズムネハル


天正10年(1582年)、私は備中高松城主として織田方の羽柴秀吉勢を相手に籠城戦を繰り広げていた。

その間秀吉より降伏するならば備中・備後を与えるなどと離間策の書状も届いたが笑止千万。そのまま主君・毛利輝元へ送り届けさせた。


業を煮やしたか怪しげな動きを取り始めた相手の意図するところはこの備中高松城を水で囲い尽くす水攻めであった。


6月始め秀吉より私の命と引き換えに城兵の安全を条件とする講和が提案された。

最早この城も落城寸前である。本国より助命嘆願を頂戴したようだが忠義を示すにはこの腹を切るより道は無い。

『浮世をば 今こそ渡れ 武士モノノフの 名を高松の 苔に残して』


水に埋まる堀へ舟を浮かべ秀吉が見聞する中腹を切る事となった。

「清水宗治殿天晴れ!」

~笑止~

清水宗治シミズムネハル】切腹(享年46歳)

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