【16】

香絵ちゃん先輩は、ボクの絵を何枚も描いてくれた。

「霊のお方とお会いしたいから、今晩ここに泊めてもらっても、いいかしら?」

霊のお方は、夜になって、寝てると、あらわれるから、それまで、先輩とえっちしてた。

「高校生の時といっしょで、やっぱりめっちゃちっちゃくて可愛いのね」

女の子どうしみたいなえっちに先輩も興奮している。

11:11になると、部屋が騒がしくなってきた。

暗くして、2人でふとんを並べて寝てたら、

2人の上に乗っかってきてるのを感じはじめた。

机の上に置いてある、先輩の描いた絵が、パラパラとめくられていった。

「霊のお方が先輩の描いた絵を見てくれてますよ~」

しばらくして、2人の寝てる間に、ぼんやりと女の子の姿が浮き上がってきた。

2人とも同時に「あっ!」って声を上げてしまった。美音ちゃんにそっくりだった。

霊のお方は美音ちゃんだったのか?美音ちゃんが、霊のお方の生まれ変わりなのか?

美音ちゃんによく似た、その霊のお方から、

わたしはもう、わたしの場所に帰ります。2人とも芸術を好きでいてね。広い心で。高い意識を持って。それから愛し合ってね。

っていうようなメッセージを感じた。

それから、フッと消えそうになったから、

美音ちゃん?伊勢さん?って聞いてみたら、

えっ?って言ってボクを見たけど、そのあと笑って、姿を消してしまった。


翌朝、先輩と家を出て、ボクは大学に向かった。大学で美音ちゃんと待ち合わせした。

美音ちゃんに、昨晩のことを話したら、

「わたしの部屋で、昨日の夜、霊の存在を感じたのよ!」って言った。「今まで感じたことなんて、なかったのに、昨日の夜、寝てたら、わたしの寝てる上に乗っかってきてる感じを受けて...」

「あっ!それは、きっと、ボクの部屋にいた霊なのかもしれないね」

その日、大学の授業を終えて、美音ちゃんの家にいっしょに行ってみた。

部屋で、美音ちゃんがボクの絵を描きたいって言って、ボクをモデルにして描きはじめた。

夜、寝るまで、まだ少し時間もあったから、2人でえっちした。

美音ちゃんはボクといっしょにやる、女の子どうしみたいなえっちに、めちゃめちゃ興奮している。今まで、こんなに興奮してたかなあって思うくらいに、この日は興奮している。

「ちっちゃくて可愛いの、めっちゃ好き!」って言ってくれた。

夜、11:11に、美音ちゃんの描いた絵がパラパラめくられていった。それから、2人の体の上に乗っかってきてるような圧力を感じた。

やっぱり美音ちゃんの部屋に来たのか。

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