【17】

ボクは美音ちゃんに、霊のお方は、たぶん女流芸術家の方で、部屋の住人を芸術の弟子のような感じに思ってくれてて、いつも毎日、見守ってくれてるってことを伝えた。そして、芸術に対して、宇宙へ広がっていくような高い意識を持ちなさいと、いつも説いてくれてるような感じだから、美音ちゃんも、そういうふうな感覚で芸術の創作を行っていくと良いと思うよってアドバイスした。そうすると、霊のお方も、たぶんめっちゃ喜んでくれるはずだから。

そして、うっすらと見えた姿は、美音ちゃんに、とてもよく似てたように思えた。うちに帰る、みたいなことを言ってたみたいな気したから、もしかして、美音ちゃんの家が、霊のお方の実家でもあるのかなあ。

そんなことを美音ちゃんに話したら、

「そういえば、百人一首とかの伊勢さんは、うちの先祖に、つながっているかもしれないっていう話を以前、聞いたことあったわ」

「う~わっ!なかなか文学的な歴史的な良き話だね~!歴史好き女子には、たまらない話だね」

実際、ボクたちの行ってた高校の近くには伊勢さんの伊勢寺もあったりするから、伊勢さんに導かれて、高校に行って、そして、みんなと出会うこと出来たのかなあ。


それから美音ちゃんは、イレーヌちゃんのアイドルグループのための衣裳を製作したり、キャラクターの絵を描いたり、グッズのデザインをしたり、動画を撮ったり、色々と活動しはじめた。部屋の霊のお方、女流芸術家のお方に、きっと毎日いつも見守られながら、色んな活動できてるんだろうなあって思った。

イレーヌちゃんのアイドルグループは、パリの日本フェスにも参加して、パリでも大人気となって、パリのパパもママも喜んでいる。香絵先輩は芸術大学で絵の製作をしている。


ある日、美音ちゃんから連絡が来て、会いたいっていうから、いつも会ってるのになあって思いながら、指定の神戸まで会いに行ってみたら、松山の小学生の時に仲良しだった、そっちの美音ちゃんだった。

「きゃあああ!あやめちゃん、めっちゃ久しぶり~!会いたかったよ~!」

「うわ~!ボクも美音ちゃんと会いたかったよ~!」

久々の美音ちゃん、小学生以来の美音ちゃんは、可愛さそのままだった。

美音ちゃんの実家は、松山の呉服屋さんで、呉服屋さんを継いで、結婚するらしい。

その前に、好きな伊勢さんの伊勢寺に行ってみたくて、1人で松山から出て来たみたいだ。

ボクの大学は神戸だから、神戸を軽く案内した。それから、美音ちゃんといっしょに、ボクの高校の近くにある、伊勢さんの伊勢寺に行ってみた。

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