ウルフ回収

 ものの数分でロイヤルウルフ達を全滅させてから、要救助者のもとにいく。


「大丈夫かスリーアウトだ、助けにきた!」

 弁ちゃんが力強くそしてやさしく2人に声をかける。


「テンコとテンマで間違いないかい? マイは町で無事だよ」

 ダンちゃんは冷静にやさしく声をかけている。


 オーちゃんは全身返り血まみれで戻って来て、親指をグッと立ててた。

  


 横穴から出てきた2人は怪我をしているが命に別状はないようだ。


人形ヒトガタ!」


 ダンちゃんがダンボールで巨大なヒトガタを2つ作り出し、そこに助けた2人を乗せるとヒトガタは浮かび上がる。


 ヒトガタかこれは昔みたな! あんなデカくなかったけど……

 ダンボールって飛ぶんだぜ……

 どこでも○アよりは常識的だなタブン……

 

「そうだダンちゃん! 帰りは『どこでも○ア』じゃ駄目だったの?」


「あれ1日1回の回数制限と距離制限(10キロ)があるんだよ、だから帰りは馬車呼んだんだ」


 よかった……無尽蔵じゃなくてホントに良かった。


「キキ、先に影で帰れるかい? ルナとシロがちょっと心配なんだ、シロとのパスだと寝てるの起こしてしまいそうだしね」

「ギリギリ帰れそうな距離だな、じゃあ先に帰ってるぞクロウ!」

 

「弁ちゃん、ダンちゃん、オーちゃん、先に救助した2人連れて帰ってよ、ちょっとロイヤルウルフ回収してくる! シロに食べさせるって約束したんだよ」


「食材回収なら私がいた方が良いよねクロウ君♪」

 弁ちゃんは残る気満々のようだ。

 

 これからやること、あんまり見られたくないけど、シロにお肉をおいしく食べて欲しいしなぁ。


「わかった弁ちゃんお願いするよ、ダンちゃん! 救助者を町までお願いね」


「わかったよクロウ君」



 ダンちゃん達と別れて森の中に戻っていく。

「とこだぁ、ロイヤルウルフ」

「オーちゃんが現れたのが向こうの方だったから、きっと向こうよ」


 森の奥に進むとウルフ達の死体が山積みだった。


「キングウルフとクイーンウルフもいたのかよ、全部一撃でやられてるな」

 ウルフ達の頭とか腹とか殴られた場所が無慈悲になくなっていた。

「相変わらずねオーちゃんは……」

「絶対に敵にまわしたくねーなwww」

 

 やはり森のマナが多すぎる……マナの回収がなかなか追いつかない。


「クロウ君、もう回収しちゃっていい?」


「ちょっと待って、異常な量のマナ抜かないと、シロの身体に悪い」


「このマナって身体に悪いの!?」

「悪いよ、普通ならこんな場所にロイヤルウルフなんていないからね、『外マナ』の過剰摂取による暴走進化かな」

 自分の体内の『内マナ』だけじゃこんなことにはならないハズだ。




「よし、あらかたマナ吸収したな、もうウルフ回収しちゃっていいよ弁ちゃん!」

「弁当箱!!!」 

 弁ちゃんの巨大な弁当箱にウルフ達が吸い込まれていく。

「キング1、クイーン1、プリンス1、プリンセス2

ナイト25、ポーン180ね」

 数までわかるのかよ! 未来のキング候補までいたとは、潰さなかったら町が酷い事になってたかもしれんな。


「帰ろう弁ちゃん! みんなの所に!」


 あっ10キロ歩くのか、太陽が昇る前に帰らないとな……

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