絶対アウト

「スリーアウト出ます! ギルマス、魔獣の森に馬車だけよろしくね」


 ダンちゃんがハロルドにそう言いながら『ダンボール』でドアのようなものを作り出した。


「どこでも○ア!」


 うん、多分駄目だダンちゃん!色々駄目だ!!!

 救助が終わったら突っ込むからな!


 ドア?を抜けるとそこは森だった。


「索敵頼むキキ!」


 キョトンとしていたキキが我に返る。

 わかるよキキ、どこでも○アはないよな……


「あっああ、まかせろ!、西に1キロくらいいった所にウルフの群れと冒険者2人いるぞ、やったぞ! まだ生きてるぞ」


 キキのやつの嗅覚と聴覚はやっぱり凄いな、頼りになるな。


「俺が行く!」

 久しぶりにオーちゃんの声、聴いた気がする、その声を聴いた瞬間には、もう全裸のオーちゃんの後ろ姿が見えなくなる、そう全裸なんだ彼は! 気付いた時には全裸だった! 


「オーちゃんなら間に合うだろ!」


「なんでやつは……裸なんだ……」

 キキが耐えれずに聞いてくる。


「それはオーちゃんのスキルが『裸王』だからだ!」


「ラっラオウ?」


「はだかの王様なんだよ、着衣を減らすと強くなる変態だ!」


「!!!なん……だと!!!」


「最終形態(全裸)のオーちゃんにとって、常識も公然わいせつも関係ない、ただ粉砕するのみだ!」


 


 よっしウルフ達の所に着いたぞ、すでにオーちゃんに蹴散らされていてポーンウルフしかいないぞ、要救助者はどこだ?

「クロウ、あの細い横穴の中だ!」

 なるほど細い穴に逃げ込めてなんとか持ってたんだな、よく頑張った!!!


「助けにきたぞ!!!、スリーアウトだ!!!攻守交代だぁ!!!」


 弁ちゃんが要救助者に聞こえるように全力で叫ぶ!


 あっ俺が適当に考えたセリフ!、あれ?そんなに悪くないのか……。


「弁当箱シールド!!!」

 弁ちゃんが叫ぶと巨大な金属の弁当箱のフタが横穴を守るように出現し、横穴を攻撃していたウルフ達を完全に阻む。


 ちょっ『弁当箱シールド』って弁ちゃん! なんだよそれ、どうして弁当箱を盾にしようと思ったんだよ、まさか君の二つ名『鉄壁』はここからきてるのかい?

 

 うん、弁ちゃんもちゃんとアウトだな!


 1人でアウト!

 2人でも当然アウト!

 3人だと完璧にアウト!

 3アウトでゲームセットだな!

 

 

 周りを見渡すと討伐完了(試合終了)していた。

 

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