シロ登場!

「ただいまぁ、買い物楽しかったぁ♪」

 夜になりみんな村から買い物を終えて帰ってきたみたいだ。


「ルナ、いいもの買えたか?」


「うんお父さん♪、ピンクの合羽かっぱ買ったの♪

早く雨降らないかなぁ」


「合羽かそれはいいなぁ、良かったなルナ!」

 ルナはご機嫌そうに尻尾をフリフリしているが横にいるキキが何やらオカシイ。

 

「クロウよ、この弁当はスゴイぞ!目の痛みが取れるぞ、そして美味い……あり得んくらい美味い……こんな物をあたしを除け者にして食べてたのかオマエは」


「除け者って!影からめったにでてこなかったのはキキじゃないか」


「あたしは今までの分を取り戻す!絶対毎日3食、慶ちゃんの弁当を食べるぞぅ!」


 なんだコレ……キキのやつ楽しそうだな♪


「村の食堂でお昼食べようとしたら、キキちゃんが弁当がいいって言い出して村で弁当作ったわ」


「海老フライ10本入れてもらったぞ♪」

 海老10本って……どんだけ好きなんだよ、キキお前、歳いってるんだから痛風になっても知らないぞ。


「ありがとね弁ちゃん、大変だったでしょ」


「弁当はスキルですぐなんだけどストックの海老が凄く減ったわ♪」


 なんか良い距離感になってんなぁ……良かったなキキ。


「クロウ君の方は馬を確保したの?」


「ああ、朝お前達が村に行ってから連絡したらすぐ向かうって、明後日くらいには来るんじゃないかな」

 みんなで夕飯を食べたがルナとキキは『弁当』を食べてた。


 自分の弁当箱嬉しいんだな♪


 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 次の日の昼


「シロのやつきたぞ」

 さすがはキキだな、目が見えない分、他の感覚がするどい……ってもう来たのかよ早すぎない? 


「そうか、ちょっと外にでて迎えてくるわ」


 ドアを開け庭に出るとなぜか皆んな一緒に出てくる。


 庭で少し待っていると全力で走ってくる白い生物……シロだ。


「なにアレ白いリザルドラゴン?」

 この世界の馬は2足歩行のトカゲ(リザルドラゴン)の事を指すが、弁ちゃん達も白いのは見た事ないみたいで驚いている。


「シロっ〜、ここだよ!」


「あっ! パパ、シロね一生懸命走ってきたの褒めてぇ〜♪」


「シロ偉いな!、お父さんこんなに早く着くとは思わなかったよ立派になったなぁ」



「クロウ君、リザルドラゴンが喋ってるんだけど……しかもパパって何……」 

 


「パパ、誰その人また・・新しい女?」


 ぶふぉっ!何て事言うのこの子、どこでそんな言葉覚えるんだよ…… 

 


「え〜とこの子はリザルドラゴンの上位種みたいなものなんだよ、それと俺の子だよ」

 

 卵から孵化させ、生まれたシロと目を合わせた瞬間にパスみたいなもので繋がった、遠くにいても念話みたいなもので喋れるし、ここにもパスで呼んで来てもらったんだ。


「シロ! この人はべっ・慶ちゃんだ、俺の女じゃないからな!」


 やべっ!弁ちゃんって言いそうだった。


「ふ〜ん、ベンケイちゃんよろしくね」


「ちが〜う、ちが〜う、ダメダメ絶対にダメぇ! 慶ちゃんだ慶ちゃん!」

 

 

「だってパパが……」


「ちょっと噛んじゃったんだよ、慶ちゃん!ほら言ってみ」


「慶ちゃん!、よろしくね慶ちゃん!」


 ふぅ危ね〜これで解決だな……ああっ、弁ちゃんの視線が痛い……


「色んな所に女いるんだね、後で教えてねクロウく〜ん!」


「!!!」


 後で腹パンなのか!!!、今回は俺は噛んだだけだよね、そんな悪くないハズだぁ!!!


 周りを見渡したが弁護人はまた不在のようだった。


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