月が綺麗だな

「シロちゃん!」

「ルナ!」

 ルナとシロが抱き合い感動の再会が行われる中、なぜか正座させられている俺、まるで俺がいないかのように話が進んでいる。


「ルナちゃん、シロちゃん夜ご飯食べようか、シロちゃんは何を食べれるの?」


「シロは魔物の肉がいい」


「魔物の肉かぁ、う〜んワイルドウルフの肉ならあるな、それでいい?」


「やったぁ♪」


 さすがは弁ちゃん弁当の食材ストック半端ねぇ、魔物の肉がなかなか仕入れられずシロには魔物の多い南に住んでもらっていたからな、寂しい思いをさせたなゴメンよ。


「さぁ家に入りましょう♪ ご飯用意するね」


 みんな家の中に入っていって、弁ちゃんと俺が残される。


「色んな女がいる事、言い訳しないの?」


「しないよ……シロもルナも俺の子だ……」

 

 そこだけは、どんな経緯があろうとも言い訳したくない。


 弁ちゃんは俺をにらみつけ家に入っていく、そしてドアが閉められカギがガチャリとなった。


 やられた!閉め出された俺の家なのに……


「お父さんは?」とか「パパは?」とか聞こえるが

「クロウ君、私達が村に行ってる間に食べすぎたから走ってくるって」


「そうかぁ、わかったぁ!」


 おっふ、なんて素直な良い子!


 久しぶりの野宿かぁ……黄色い月が綺麗だなぁ……


 よし!庭にあるホロ付きの荷台で寝るか。


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