祝福と呪い
「あらためて彼女はキキ、ゲートを通って向こうの世界に行き、そして帰ってきた生き証人だね、普段はルナの影に入って護衛してもらってるんだ」
「おいクロウ、あたしを呼んだということはコイツ等引き込んでやるんだな、後戻りはできねーぞ」
「そうだね、弁ちゃん達が俺の結界に入ってこられたからいけると思う」
「勝手に話を進めないでちゃんと説明してよ」
おっと弁ちゃん達を置き去りにしてた。
「キキ説明してあげて」
キキは一瞬嫌そうな顔をしたが腕を組んで偉そうにしゃべりだした。
「おいお前等、どこまでゲートを理解している?」
「・・・全く・・・」
「全くかよ、じゃあ簡単に言うと、この世界はお前等の世界と違い常に人が足りていない、だから入ってきた人間に『祝福』で『スキル』を与え生きやすくして帰らないようにする、それでも帰りたい奴らを逃さないために、帰りのゲートで『呪い』がかかるようになっている!」
「……呪い……」
「無理にゲート通り向こうの世界に行こうとするとと酷いことになる、大概は奪われる系が多い、あたしはこれだよ!」
キキが掛けてたサングラスをはずすと白く濁った瞳が現れる。
「視力が完全に奪われた、もう何も見えん!」
「!!!」
弁ちゃん達は絶句している。
「こんなんで黙るんじゃないよ、言っとくが呪いを軽減してこれですんだんだよ、無防備ならもっと酷いことになってたんだ……だからねちゃんと準備をしていけば完全に防ぐことは可能だ!」
「ホントなんですか?」
「ああ本当だ、あたしが呪いを受けた時に一緒にいた内の2人が完全に回避しているんだよ、偶然だけどな」
「その方法は再現できるんですか?」
「できるが酷い方法だぞ、肉壁立たして後ろは大丈夫みたいな、だから違う方法をクロウは探してた」
「見つかったのクロウ君?」
「ああ見つかったよ弁ちゃん、答えは僕らを召喚した国エインジェルにあった、奴らのシステムを壊し利用すれば帰れるよ」
「システムを壊す?どういうことなんだいクロウ君」
ダンちゃんは俺の言葉を正確に拾ってくるから怖いね、不用意な発言は気をつけないとね。
「言葉通り壊すのさ、僕らは呪い回避だがエインジェルの奴らの目的は祝福の回避だからね!」
「どういう……ことなの?」
「単純だよ、人が欲しいから向こうの世界から持ってくればいい、祝福で力持たれると厄介だからそれを防ぎたいのさ」
「そんな酷い……」
「だから協力してくれないか、君達は向こうに帰還、俺達はエインジェルのシステム破壊、Win-Winだと思うんだけどどうかな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます