帰還方法

 弁ちゃんが作ってくれた朝ごはんをみんなで囲みながら、ふと思い出す。

 

「そういや君達ここに何しにきたの?」

人の結界に侵入してまで会いに来たんだ、よほどのことだろう。


「クロウ君、帰る方法がわかったわ」


「そうか」


「そうかって、それだけ?」


「俺にはルナがいるし帰らないよ」


 弁ちゃんは一瞬ルナの方を見てちょっと悲しそうな顔をしていた。

「そう」

 今度は弁ちゃんが一言だけだった。


「それでどの方法でゲートを開くの?」


「ゲートってこの世界にき」

 弁ちゃんの言葉を遮る形でダンちゃんが反応してきた。

「どの方法ってどういう事だよ、何個もあるのかよ!」

「あっ」

 しまったと思ったがもう手遅れだ。


「どういう事か説明してもらうぞ!」

 無口なオーちゃんまでヒートアップしている。


「わかった、俺が知ってる事を話すよ」


「クロウ君、知っているなら何でだまってたんだよ」

 

「ごめんね、手紙じゃ長くなり過ぎるから伝えられなかったんだよ、無理としか……」


「無理ってなんだよ、あるんじゃないのか?」


「あるけど無理なんだ!だから諦めた……、僕達がこの世界にきたゲートを開ける方法はあるんだ、だけど問題はその後なんだよ……帰りのゲートはリスクが高すぎる!」


「リスクってなによ!」

 弁ちゃんも少しヒートアップしている。


「仕方ないなリスクについては俺じゃなく、実際経験した人に話をしてもらおうと思う、ルナちょっとこっち来て」

「お父さん、ルナわかんないよ」


「いいからいいから」

 ルナがキョトンとしながら近づいてくる、そして俺はルナの影に手を突っ込んで声をかける。


「キキ出てきて!、ちょっとゲートのリスクを教えてやってよ、どうせ話は聞いてたでしょ」


「うるさいぞクロウ、騒がしくするな!」


 ルナの影から赤髪の身長120センチくらいで角の生えたサングラスをかけた子供がでてくる。


「なっ!」 

 さすがにみんな驚いてるねwww


「彼女はキキ、鬼の一族の者だよ、ほらカワイイ角が2本生えてるでしょ」


 キキの頭頂部にある、角をツンツンすると手を叩かれた。


「角を触るんじゃねぇコロすぞクロウ!」


「この口の悪さがカワイイんだよ♪」

 

「カワイイとか言うんじゃねぇ、あたしは500歳越えてるんだぞ!」

 

 キキのやつめっちゃ照れてるな。



 さて、弁ちゃん達に説明するか。



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