結界
「俺、気を失ってたんだな……」
俺が起きた事に気付いたダンちゃんが近づいてくる。
「クロウ君! 慶ちゃん、ちょっと泣きそうだったよ」
「すまん久しぶりに会って、はしゃいじまった」
「始めは2人でバカやってるのが、懐かしくて見てたけど、あれはやりすぎだよ」
「そうだな……ところでなんで弁慶なんて呼び名が定着したんだ」
「クロウ君が昔から『弁ちゃん』って呼んでて、僕達は『慶ちゃん』って呼んでた、それを聞いてた他の冒険者が『弁慶』さんだと思ったらしいよ……『弁慶』さんですかって、声かけられた時は戦慄したよ」
「うわっ! さすがの俺も責任感じるわ!」
「しかもクロウ君、2年前に手紙と一緒にプレゼントをギルドに預けてたでしょ、『薙刀のイヤリング』……慶ちゃんプレゼント開けたまんま固まってたよ」
「まじかよ、久しぶりにギルド行ったら『スリーアウト』がA級になってて、二つ名もらったって聞いて嬉しくて、それでやっぱり『弁慶』には薙刀だなって……最悪だな俺!」
「慶ちゃん、隣の部屋でルナちゃんと寝てるから明日謝りなよ!」
俺が気を失った後、ルナは俺が悪いのがわかって「お父さんがゴメンね」ってわんわん泣いたらしい……それにつられて弁ちゃんも泣いて一緒に寝てるみたいだ。
絶対に明日謝ろう。
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「こんな時だけど、ダンちゃんちょっといい?」
「何クロウ君?」
「俺の家の結界に侵入したのって、ダンちゃんのスキル?」
「そうだよ」
「壊さずに入って来たよね、壊しても入れるかい?」
「う~んギリギリいけるかな?……オーちゃんなら確実に割るよ」
「そうか結構、自信作なのにな」
スキル『ダンボール』で結界に侵入とか破壊とか狂ってるだろ、どんな成長の仕方したんだよ。
俺の予想できない強さか……イケるかもしれないな……
なんにせよ明日謝ってからだな……
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