二つ名


 弁ちゃんよ、人の娘の頭に圧力かけやがってちょっと反撃させてもらうぜ。


「ルナ、こいつらは二つ名持ちのA級冒険者なんだよ、A級から二つ名もらえるんだよ知ってるかい」


「知ってるよ〜〜♪」

 

 ふははははっ、当然知ってるだろう、ギルドに散々おつかい行かしてるからな、他国にまで轟いた『スリーアウト』の話を聞いたりしているハズだし、俺が寝る前にいっぱいお話してあげてるからな。

 おっと弁ちゃん気付いたか、そんな怖い顔で俺を睨むなよ、まだまだこれからなんだよ!!!。


「弁ちゃんが鉄壁の弁慶!!!」

「オーちゃんが裸の王様!!!」

「ダンちゃんが空飛ぶ珍獣!!!」


 エクセレント!、なんて賢い子!!!。

なんでも防ぐ弁慶、なんでも粉砕するラオウ、羽が生えた獣ダ○ボ、有名過ぎたのがお前等の敗因だ!。


「ルナちゃん、私その名前嫌いなのよ!」


「???、えっウソっ! だってお父さんが弁慶は自分達のいた国の英雄の名前だって、嫌いなやつに出会ったことないって、そんな名前で呼ばれるなんてスゴイって……」

 


 どうだ弁ちゃん! これが子供の純粋さの圧力だ、捌けるかい?

 弁ちゃんはぷるぷる震えながら怒りを堪えている。


 勝ったな! 

 俺の初めての完全勝利だ!


 弁ちゃんはふぅと息を吐き、俺の方に顔を向けて目を見開くと目が赤く光っていた・・・・どうみても光っていた、あっヤバいやり過ぎたと思った瞬間、頭を掴まれた。

「クロウく〜ん、子供に色々吹き込んでくれてるんだぁ! 誰のせいで私が弁慶なんて呼ばれてるかなぁ解る? あなたが勝手に弁ちゃん弁ちゃんって呼ぶからだよ、1回死んどけ!オラッ!」


 ぐふぅ……ふっ、いいボディだ世界がとれるぜ弁ちゃん!


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