第3話 神眼

全ての物をすかしたように見える 透視


明暗に左右されることのない鮮明な 視界


普通の人よりも何倍も広い視界と視力


物事に残るわずかな記憶をたどる 追視


さらには他の人の視界を見ることも、また自分の視界を相手に見せることもできる存在。


そんな金色の瞳を持つ者を僕の世界では神眼と呼ぶ。




金色の瞳は神眼以外に存在しない。そのため生まれた時から僕は神眼として育てられた。


見たことを正確に伝えられるように、ありとあらゆる表現方法や礼儀作法、自身はどういった存在なのか、など幼少期から叩き込まれた。


煌びやかなところで大切にされていたが、

大人や国の道具として豪華な籠に飼われ、命令を遂行する。自由や意志などと言うものは何もない世界。


透視で見た、檻の外には何倍も広い世界が広がっていて、作り笑いではない自然な笑顔が、美しい景色が広がっていたけれど、それらはどう願っても手に入らない遠いところ――




そんな狭い世界で育った僕は、


なぜがピンクの髪の女の人に見守られながら絵を描いていた。




「イリス****?」

ガイルと共に赤髪の人と面談?したあと、この部屋に連れられ体の汚れを落とした後、服を着替えさせられ あれよあれよと言う間に紙とペンが置かれた机に座らせられた。


首を傾げる僕に女の人は何か言ってから、ペンを手に取り窓を指差した後、窓の外の景色を紙に書き出した。そして少し書くと、ペンを僕に差し出した。

よくわからないまま続きのように窓の景色を描く。


景色を正確に写しとった僕を女の人は手を叩いて誉めた。


次に紙に字のようなものを書いて見せてきたが、知らない文字だったため首を傾げる。

そんな僕の様子を女の人は観察するように見ていた。

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