第2話 彼の秘密

 昨日私には人生初じんせいはつの彼氏ができた。

クラスの人気者にんきものでイケメンな。しかも向こうからの告白だった。

でも彼には知ってはいけない秘密ひみつがあった。


「春花ちゃーん遅いよう」

「すみません部活ぶかつがあったので」

「だから敬語」


そうだった彼は敬語を許してくれないんだった


「分かったから早く用事を済ませよう」

「オッケイ俺ん家ここから十分ぐらいだから。」


~十分後~


「ここが俺んち」


すごい大きい。私の三分の二ぐらいある大きいなぁ


「お、お邪魔じゃまします。」

「どうぞ―」


初めて男の子の家に入るなぁ


「ちょっとお茶出すから上で待ってて。」

「私も手伝う」


包丁ほうちょう刃物はものがいっぱい

料理人りょうりにんか、キャンプ好きかな?そういえば秋斗くんの親は何をしてるんだろう


「秋斗く、君の親は何してるの?やっぱ包丁とか多いから料理人?」

「違うよ。でも半分正解はんぶんせいかい


半分正解?どういうことだろうか。


「何飲みたい?コーラと紅茶こうちゃ抹茶まっちゃオレ」

「抹茶オレで」

「オッケー。先二階行ってて」

「分かった」


え~っとこの部屋へやかな秋斗君の部屋 ガチャ


「えっ」


その部屋には、沢山たくさんの人の写真しゃしん情報じょうほうがびっしりとかべに貼ってあった


「あー見ちゃったか」

「秋斗…君?」


そこにはコーラと私の抹茶ラテを持った秋斗君が立っていた

でも声も雰囲気ふんいきも秋斗君じゃない。誰?でも見た目は秋斗君だ。


「俺の親殺ころなの俺もね。」

「え?」

「言ったでしょ。半分正解だって。人間をナイフでさばいて料理する。料理人みたい。」


怖い。目があの優しい秋斗君じゃない。


「親父にバレたらかまわず殺せって言われてるんだけどなー。彼女だし殺したくないなー」

「どうして言わなかったの?」

「言ったら怖がられるし。変な人と思われたくなかったから。」


ギシッギシッ


「イヤだ死にたくない。こっちに来ないで」


バッ 秋斗君は私の腕をつかんできた


「イヤだなぁ殺さないよ」

「へ?」

「だって彼女だし。初恋だし」


いつもの秋斗君だ、、、


「俺の部屋はこっち。あっ香水とかつけてないよね。親父鼻が良いから匂いでバレる」

「香水は、つ、つけてない」

「一緒にまマリカしよ」

「うん」


どういう事秋斗君の親が殺し屋?しかもバレたのに殺さない?

何で?


「何で?何で殺さないの?バレたのに」

「だって彼女じゃん。俺実際おれじっさいに人殺したことないし。」

無防備むぼうびすぎるよ」

「だって別に言わないでしょ。春花ちゃん」

「そうだけど」

「さぁさぁマリカやろ」


横に殺し屋がいるのにゲームなんてられるか!


「春花ちゃんも誰か殺してほしい人がいたら言ってね。飛んでくから」

「いても言わないよ」

「なんで?」

「だって私が言ったせいで人が死ぬのは嫌だし、秋斗君が人殺しになるのもいや」

「春花ちゃんは優しいね」


結局マリかをやって私が圧勝あっしょうした。


「春花ちゃん強いよー。本当に未経験みけいけん?」

「イヤ秋斗君が弱いんだよ」


マジで弱い


「そうだ今週の日曜日にちようび一緒に買い物行こう。俺がイメチェンしてあげる」

「イメチェン?」

「そうそう俺結構おれけっこうコーディネートとか得意なんだよね」

派手はで格好かっこうは嫌だ」

「大丈夫春花ちゃんに会うのにしてあげるよ。それに君に拒否権きょひけんはないっ」


もう何でこうなるのよ


「そろそろ帰るね」

「分かった。でもLINE交換」


ピロリン〔秋斗君だおが追加されました〕


いやいや名前!だおってこんなの流行ってんの?


「じゃぁね」

「うんバイバイ寂しいよ」

「はいはい分かったから」


ピロン ピロン ピロン いやめっちゃ送るやん


~次の日~


ザワザワ どうしたんだろう騒がしいな


ガラガラ(教室のドアを開ける音)


「え~秋斗君、彼女出来たの~寂しい」

「どんな子?」

「え~っとね~。優しくってギャップがすごい子」

「このクラス?」

「どうだろうね~」

「おいおいお前幸せそうな顔してると思ったら、彼女かよ」

「いっつもクールなお前がデレデレじゃねーか」

「良いだろ三年間も好きだったんだから」

「アハハハハ」


もうすでに話してる💢


「アおはよう春花ちゃん俺彼氏できたんだー」

「良かったですね。おめでとうございます」

「反応薄っ」

「そんな子ほっといてさーもっと…」


こんなに広めてどうすんよ困るわ

これからどう隠していこう。大変だよー

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