第45話 最後の道しるべは空
爆散した破片は七色の煌めきと共に塵となり舞い落ちる。それは少しだけ成長した尋を祝福する祝砲の光にも見え、空間を彩る。その時、鳥の形をした紙が私の方へと飛んできているのに気づく。私は人差し指を出してその鳥を止まらせた。その鳥は1通の手紙に形を戻し、その内容を私に告げる。
『アルマリア、お疲れ様! こっちの方は無事に騎士団に引き渡したよ。魔導兵器も完全に爆発して消滅したところを遠目から確認したよ。ちゃんとポプラに確認してもらってるから安心して良いからね。それで、話しを尋のことに変えるとね、多分、そろそろ元の世界に戻れる状態になったと思うんだ。なんで分かるかは、まあ機会があれば説明するけど、一言で言えば、分かる人から聞いたんだ。彼と出会った初めの場所に連れて行って。そうすれば、後は彼が直感で分かると思う。彼がこの世界でやり残したこと、ちゃんと終わらせてあげてね。こういう世界にはそんな気軽には来れないんだから! それじゃあ私たちは先に旅に出るから、また国境なき騎士団出会おうね! ベリーより』
差出人はベリーだった。私は内容を読み終えると、その手紙に魔力を少し送る。再び鳥の形となった手紙は、役割を終えてどことない方向へと飛び立った。
私は尋に声をかける。
「お疲れ様。本当によく頑張ったよ」
「い、いえ、僕はなにも……アルマリアさんが居たから、僕はここにいることが出来るんです。その、本当に、ありがとうございました」
「……うん、どういたしまして。それじゃあ、帰ろうか。私たちの拠点に」
「――はい!」
私はゆっくりと下降を始めた。尋の夢物語の夜明けのために。
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