第35話 猫を飼うと鬱病になる? その衝撃の真相
ちまたで
「猫好きにはうつ病が多い」
「犬好きより猫好きの方がメンタルを病んでる人が多い」
皆様も一度くらいは、ネットでこのような噂を目にしたことがあるでしょう。
むろん、そんなのは根も葉もない噂だ。うそっぱちだ。と反論する人も多いと思います。
誤解のないように申しますが私は猫が好きです。猫好きを否定する気は全くありません。
しかしながら、この噂話はかぎりなく真実味があると言わざるを得ません。
ここでちょっと話題を変えます。
皆様はレウコクロリディウム(あるいはロイコクロリディウム)という寄生虫をご存知でしょうか?
この寄生虫は鳥の体内で繁殖して卵を産む寄生虫です。鳥の糞にこの寄生虫の卵がまじっています。それを食べたカタツムリがこの寄生虫に感染します。感染したカタツムリは、触覚が肥大化してイモムシのような形状になります。そして行動を支配され、わざと鳥に見つかりやすい高い所へ移動してしまうのです。
その結果、カタツムリは鳥に食べられてしまい、この寄生虫は最終宿主のなかへ入ることができます。
つぎにハリガネムシという寄生虫を紹介します。
こちらはコオロギやカマキリに寄生する虫です。
これに寄生されたコオロギやカマキリは、寄生虫が繁殖の時期をむかえると、行動を支配され、池や沼などの水場に飛び込んで溺死します。
そのお尻から寄生虫が飛び出していくのです。
水中で産み落とされた卵はやがて
そして運よく、これがカマキリに食べられると、カマキリに寄生するのです。
そして寄生されたカマキリはハリガネムシの繁殖の時期になると、水中に落ちて溺死します。
この二種類の寄生虫に共通しているのは、宿主の行動を支配することです。
そしてもし人間もある虫に寄生されると脳を支配される、と言われたら皆様はどう思いますか?
そんなのあり得ない。映画じゃあるまいし。
きっとそんなふうに笑い飛ばすでしょう。
実は最近になって人間の脳を支配する寄生虫が見つかったそうです。
ここで最初の話題にもどります。
猫を飼うとうつ病になるとは本当でしょうか?
猫の体内にはトキソプラズマといわれる寄生虫がすんでいます。もしも人間がトキソプラズマに感染すると発熱や倦怠感やリンパ節腫脹などの非特異的な一過性の症状が起こります。まれに視覚障害や脳炎や肺炎を引き起こすそうです。
しかしそれだけではありません。
近年、『The Journal of Nervous and Mental Disease』という医学誌で、デンマークの研究者が驚愕の論文を発表しました。
ヨーロッパ諸国20カ国での調査を解析した結果、トキソプラズマに感染した女性の自傷行為のリスクが1.5倍、自殺率が2倍になったというのです。
むろんそれだけではありません。
間欠性爆発性障害(intermittent explosive disorder)と呼ばれる精神疾患があります。
特にストレスなどがたまっているわけでもないのに、突然キレて他人に理不尽な言動をとります。ときにカッとなってに物を破壊したり、他人や動物に暴力をふるうなど、異様なほど攻撃的になってしまうやっかいな疾患です。
トキソプラズマに感染すると、この間欠性爆発性障害を発症するリスクが高まるという研究結果も論文に記載されています。
トキソプラズマというごく小さな寄生虫が人間の脳をここまで支配する。
皆様はどう思いますか?
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