Soul Reborn〜ソウル・リボーン〜

アリエッティ

第1話 死後

 角山ミサキ 享年17歳

横たわる自分の姿を見て何となく察した。


「私、死んだの?

これで..人生終わりなんだ」


「物分かりがいい人は助かりマス。

アナタは死にマシタ、おつかれさまデス」

青白い顔の男がこちらを見て笑っている。白い歯を見せて、人が一人死んだというのに


「…誰なの、何処かで会った事あるっけ?」


「お初デス、角山ミサキ様。

突然話かけてしまい申し訳ありまセン、わたくしはアンノウン。」


「アンノウン...一体何者よ」


「何者、デスカ。

..分かりやすく言えば死神、デスカネ?」


「死神...」

亡くなったのなら違和感も無い、死を司る存在に誘われようとしているのだろう。


「ところでミサキ様、ご自身の〝死因〟について記憶は残っておありでしょうカ?」


「死因...うーん..。」


「覚えていませんカ、そう珍しくもありまセン。死んだショックで忘れている事もよくある出来事デスからネ。」

人生を終えたという悲しみが強過ぎて、死んだ原因を忘れているというのは死神あるある。大概の死者が死因を覚えていない


「..いや、覚えてる。

私は殺された、知らないおじさんに」


「成程、通り魔ですか。

という事はアナタの死因は...〝殺害〟デスネ」


「顔は見た、それに多分有名な人。

直接関わりは無かったけど」

テレビやネットの報道で一躍刻の人となっていた。出ているところをきちんと見た事は余り無かった、まさかその人物に自分が襲われるなど考えた事が無かったからだ。


「災難でしたネ、同情しマス。」


「やめてよ、そんな気もないなら痛いだけでしょ。私こんなに若いのに..なんで死ぬのよ」


「死に年齢は関係ありませんヨ?

全員にいつか訪れるものデス、それが遅いか早いかというだけで何も違いはありまセン。」


「もういい...今更言っても遅いもん」


「そうデスカ?

方法ならありますヨ、死因が殺害デスからネ」


「方法って何のよ」「生き返る方法デス」


「……は?」

死神と名乗る男が言うには、自死や他殺の場合は正当な死と認めるには曖昧で条件が難しくもう一度人生を再開させられる可能性を設けているという。


「死というものは自分で決めるものでは無く人に決められるものでもない、運命が順を追って定めているタイミングなのデス。」


「私、生き返れるの?」


「ええ出来ますヨ。

但し、条件が存在しますがネ」


「やるわよ何でも、こんなところで終わりはイヤだもの。」


「そうデスカ。ならば生き返る為に、命を10個ほど殺めてくだサイ」


「..なんですって?」

人間を10人殺す、そうする事で魂が復活し人生を継続する事ができる。


「人が死ぬのは簡単デス、しかしその命を再び生き返られるのは相当な労力デス。なので対価を払って頂く訳デスネ」

自分がされた卑劣な事を、他の人間に10度しなければ生還する事が出来ない。そんな酷な話があるだろうか。


そんな事....」


「出来まセンカ?

だとすれバ別の選択肢になりますネ」


「別の選択肢って何よ」


「わたくしと同じになるんデス、死を司るアシストの身へとネ。」

生き返りたくば人を殺める

それが嫌なら死神となる

決定権は本人にある、他の連中には選べない


「さぁ、どっちにシマス?」


「私は...」

身を委ねるは死神、選択は己自身。

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