最終章 グータラ殿下の天征記
第168話 今再びのダリアへ①
「天に
グーテルは、ヴァルダ城の新宮殿の
「そして、誰も居なくなったか~。
「
「フルーラも……」
「隊長は、死んでないっすよ」
「いや〜、居ないと寂しいな〜って」
「まあ、そうっすね」
そう、近年、色々な人が、亡くなったり、引退したり、そして、
時は、
そう、フェラードさんが亡くなり、ロイ君がロイ10世として
やっぱり
そこで
王となったロイ君には、正式な
そして、王妃の死後直後にロイ君は、ダルーマ王ハールイ1世の妹さんと再婚する。だが、翌年6月ロイ君が急死。
で、王位継承順位では、ロイ君の子供達なのだが、まず、マリーローズさんとの一女だが、これは、前にも言った通り、本当にロイ君の子供だろうか? となり、古い法律サリカ
まあ、元々、マインハウス神聖国と同じで女王の居ない国なので、いまさらではあるのだが。ちなみに、昔は、マインハウス神聖国と、ランド王国はサリカ
そして、ハールイ1世の妹さんだが、ロイ君が亡くなった時、
そのため王位には、セーラの
だけど、これでマインハウス神聖国と、ランド王国との関係は、さらに
で、僕の周辺の話となるが、ガルプハルトが、60歳を向かえ引退を宣言。
「えっ、困るよ。ガルプハルトが居なくなると寂しいし」
「グーテル様、
「まだまだ戦えるでしょ?」
「俺も
「そう……」
こうして、ガルプハルトは、皇帝直属騎士団長を辞任し、引退したのだった。しかし、まだまだ元気なガルプハルト。
マスターと山へ分け入ったり、若い女性と結婚したり? 子供作ったり? えっ! う〜ん、ガルプハルト2世が、そのうち騎士になるかもしれないな。
さらにヤルスロフ2世さんが引退し、ユージフさんが外務大臣に就任。デーツマン2世さんが、1302年に若くして引退されて1313年に亡くなってはいたが、それに遅れる事14年、引退の時をむかえたのだった。
引き継いだのは、息子のユージフさんだった。
「え〜と、弟さん?」
「いえっ、息子ですが……」
随分、貫禄のある息子さんだった。ヤン君が童顔だから余計かもしれないけど。
「そう。よろしくね。ユージフさん」
「はい」
これで、ジークの治世を支える、宰相、内務大臣、外務大臣は比較的若くなった。おそらく皆、30代だ。
そして、フルーラも、ガルプハルトの引退を受けて、女性初の皇帝直属騎士団騎士団長に就任。さらに、フルーラの
「グリフォスは、近衛騎士より、直属騎士団の騎士に向いていると思うのだが、アンディ」
「確かに、そうっすね」
僕の護衛騎士よりも、戦場で戦う方が向いているという事らしかった。
さらに、フェルマンさんも、ジークと
そうだった、そのジークだが、21歳を過ぎ、パウロさんが
ジークは、まあ戦い好きで、わざわざ、ランド王国や、ダリア地方にも、
で、出かけてばかりのジークだったが、ちゃんと子供は生まれていて、昨年にはユリアちゃんが、そして、今年は男の子が生まれていた。
「かわいいね〜、ベロベロベー」
「フフフ、お
「ん? そう言えば、名前は?」
「カールですわ」
「そう、カールか〜、カールね〜。う〜ん?」
「お義父様、お
「いやっ、カール
「そうですか。ボルタリア王族の伝統的な名前なので、良いと思ったのですが……」
「そうだね。うん、良い名だ。そうか、カール2世に、カール3世。お前は、カール4世かな?」
「はい」
こうして、カール4世が誕生したのだった。これで、ボルタリア王国も
そうそう、そして、神聖教教主だが、クレメントさんの後だったが、2年にも及ぶコンクラーヴェにて、新たな教主が、ランド王国ラヴィオルに誕生していた。その名は、ヨハン22世。
僕は、ヨハンさんに書状を出し、ロマリアへの
ちなみに、ランド王フェラード5世としては、干渉しないそうだった。
さて、どうするか……。
僕は、クレメントさんから預かった、
クレメントさんは、これをロマリアに送り届け、クレメントさんに代わり、ロマリアに新しい教主をたてて欲しいと言っていた。
まあ、送り届けるだけ、送り届けるか〜。
「アンディさ〜」
「はいっす」
「もう一度、ダリア行くかな」
「そうっすか、かしこまりました」
「反対しないの?」
「何をっすか?」
「いやっ、何でもないよ」
「はあ」
「じゃあ、フルーラに伝えて、出陣の
「はい、かしこまりました」
こうして、僕はダリア地方に行く準備をしたのだった。さて、エリスちゃんは行くかな?
「行きますよ。子供達も、成長しましたし」
「そう。じゃあ行く準備してね」
「はい。分かりました。ああ、そう言えば、マリーも行きたいみたいですよ」
「えっ、マリーが?」
「はい。何でも、良い
「えっ。なにそれ?」
「ね〜?」
やっぱり、我が子は変わっているね~。
そう言えば、シュテファンは、今、トンダルの所にいる。ヴァルダにいると、ジークに色々言われて嫌そうだったので、トンダルが連れて行ったのだった。政治や軍学の勉強をして楽しいそうだった。
シュテファンは、僕に似ていると、言われていたが、結構ちゃんとやっているようだった。
「そう言えば、マリー。見つけた政略結婚の相手って、誰なんだ?」
僕達は、ヴァルダを出発し、ダリアへと、向かった。
経路は前回と同じく、ミューゼン公国、ハウルホーフェ公国、そして、ツヴァイサーゲルドを通っての旅だった。そのミューゼンに向かう
「それは、ダルーマ王ハールイ1世ですわ」
「えっ、ハールイ1世?」
「ええ、ちょうど奥様亡くされて、新たな結婚相手を探しておられるでしょうし、ランド王国に送り込んだ妹さんは、
「はあ」
だけど、確かハールイ1世って、だいぶ年上じゃ無かったかね?
「だけど、マリー。ハールイ1世って年齢が……」
「そんなの気にしませんわ。今の世の中そんなの当たり前ですよ。だって、
「そうだったね〜」
やっぱり、マリーは、変わっているね~。しっかりしているというか、何と言うか。こういうところエリスちゃんに似ているのかな~?
「なんか、エリスちゃんに似てるね」
すると、マリーの隣で、へ〜、そんな事考えていたんですね、この
「えっ、私、こんなに、計算高くありませんよ」
え〜と、娘に向かって計算高いは、
「そうかな~、だって、エリスちゃん、僕と結婚する
すると、慌てたように大声をあげ。
「あ〜! それは、だって、私がグーテルさんと、その、ゴニョゴニョ……」
「ん? 何だって?」
「私が、グーテルさんと、結婚したかっただけですよ!」
「へ〜」
「お母様、かわいい」
マリーにそう言われた、エリスちゃん。真っ赤になって
「も〜、
はいはい。
すると、マリーが、
「そう言えば、お母様、あまり若い時の話、してくださらないんですよ」
それは、つらい思い出があるからだろう。まあ、ハウルホーフェの思い出は、良いかな?
僕は、カツェシュテルンでのエリスちゃんとの思い出を話す。そう、ミューツルさんのモテる話からの一晩どう? のくだりだった。(第6話参照)
普段大笑いしないマリーが、笑い転げ、女性陣の
「グーテルさん、もう! プンプン」
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