第5話 結果は・・・!

「うわああああああああああああっ!はずしたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」

 アリサは頭を抱えて、体をかえるように絶叫した。


 最終12R・全日本選抜競輪の決勝戦。最終2センターを抜けて、最後の直線に選手が差し掛かる。①番選手が、⑨番選手の内側に入り込み、最後の直線を伸びた。そのまま、①番選手が最初にゴール線を通過。そして、アリサが殆ど買い目に入れていなかった⑨番選手が二着。三着には⑤選手が伸びて、最終的に①-⑨-⑤という結果になった。


 ショックで文字通りアリサ。彼女は地面にひっくり返ったままだった。一方、その傍らでは競輪の神様が感極まって涙をこぼしていた。

「つ、ついに勝てた・・・!ワシ、勝てたんじゃあ・・・」

 残念ながら悪い予感が当たってしまったアリサ。


「何で⑨が残るんだ・・・」

 地面に顔を伏したまま、力無く呟くアリサ。彼女の読みは消して間違っていなかった。

 今日の決勝戦で先行する選手は、⑥番と読んでいたアリサ。⑥⑨の瀬戸内中国・四国ライン後ろには、①⑦の二車の中近中部・近畿ラインか、又は単騎の③番が来ると予想していた。それは結果的に合っていた。


 ⑥⑨の後ろに①⑦が来た。しかし、アリサが考えた以上に、そこから淡白なレース展開になった。残り一周の時点での展開のままだった。⑥⑨と①⑦以外の選手が動いたのが、最終バック(残り400メートル)の前後。

 ⑥⑨の瀬戸内ラインが先行となった場合、最後の直線で他のラインや選手に捲られると考えていたアリサ。なので、一着、二着には⑥⑨の両名は残らないと考えたのだ。だから、今日の予想では⑨番を殆ど買い目に入れていなかった。

 優勝者を当てるという視点では①番を買っていたアリサ。しかし、肝心の二車単を当てられなかった。


「オワタ・・・」

 頭の中が真っ白のアリサ。その傍らで競輪の神様は、まだ予想バトル勝利の余韻に浸っていた。

「ようやく勝てた・・・。四連敗は阻止した・・・!ありがとう、神様。ワシも神様だけど」

 このまま、この並行世界にいなくてはいけないのか?そんな不安と絶望にさいなまれていたアリサだが、予想外の事態が起きる。


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