第2話 人の部屋で何をしているの!
眩い光で、自らの顔をクッションに押し付けるアリサ。光が治まったことを察知し、すぐに顔をあげる。
すると、アリサの部屋には見覚えのある老紳士がいた。忘れたくても、忘れようがない。これまで三回も並行世界へ自分を連れて行った男・競輪の神様だ。
「新年、明けましておめでとう」
「もう新年が始まってまあまあ時間が経ってるわよ!それに神様だからといって、勝手に女子の部屋に入ることは大罪よ」
「安心いたせ。そんな長く滞在しない」
親父ギャグならぬ、神様ギャグに眩暈がしそうになるアリサ。が、彼女はこの時点で次に自分がどんな目に遭うか、おおよそ目星がついていた。
「まさか、また私を並行世界に連れて行く気?」
怪訝そうなアリサ。方や、神様はいかにも神様っぽい喋り方で話しかけてくる。
「察しがよいの。いかにも、今度こそはワシが、お前さんに勝利する日が来たと確信している」
自信に満ちた競輪の神様の笑みを目にして、何かの策謀があるのではと疑うアリサ。
「お前さんを今から並行世界へ連れて行く」
一方的に話を進める競輪の神様。
そう言うと思った。アリサは心の中で呟く。若干、このパターンに慣れつつある自分が恐い。
「なら、受けて立つわ。でも、せめて着替え位はさせてほしいわね。流石に、パジャマ姿じゃあ、この寒い中、外には行けないわ。だから―」
アリサが話している最中、再び眩い光が彼女の部屋いっぱいに広がった。
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