競輪の神様と非実在の競輪予想師2022 パート①

鉄弾

第1話 もう!今年も、この展開なのかよ!

 一年は365日。その365日間には多くの行事がある。正月に始まり、節分、ひな祭り、ゴールデンウィーク、七夕にお盆。そして、ハロウィンやクリスマス。様々な行事が、この日本にはある。

 そんな中、二月と言えば、いにしえよりの行事『節分』がある。誰が始めたか、恵方巻をかじり、豆を撒く。そして、2月14日はバレンタイン。関係ある人も、ない人も、2月には、節分以上のビッグイベントになっている。

 だが、忘れてはいけないイベントがある。一年で最初のGⅠレースが競輪ガチ勢を待っている。そう!GⅠ全日本選抜競輪だ。


 静所アリサは、一人暮らしをする立川市内のアパートでくつろいでいた。今日は平日ながら、仕事のシフトでお休み。少し遅めの朝食を簡単に済ませて、暖房が効いた部屋の中でしている。外は寒風吹き荒れるが、アリサの部屋は一足早い春のようだ。


 パジャマ姿のままで、ベッドの上に横になっているアリサ。雑誌とスポーツ新聞を読みながら、今月二月のことを考えていた。

 雑誌はお菓子作りの本。言うまでもなく、二月号はバレンタインデー特集。一方、スポーツ紙は全日本選抜競輪の特集をしていた。


「今月は忙しいわね・・・」

 雑誌をめくりながら呟くアリサ。今月二月はバレンタインのチョコレートの用意と、全日本選抜競輪の予想をしないといけない。アリサにとって『バレンタイン』と『全日本選抜競輪』、どちらが重要かと言えば両方重要だ。日本の二月を語るうえで、どちらも外せない。


 チョコレートの創作に知恵を絞る一方、時折、スポーツ紙に目を向けながら、今年最初のGⅠレースに想いを馳せる。そんなときだ。アリサはふと思った。

「GⅠか・・・」

 寛仁親王牌、競輪祭、競輪GPと、競輪の神様との予想バトルに三連勝してきたアリサ。まさか、今回も現れないよね・・・?そんなことを考えたのが良くなかったのだろう。不意にアリサの部屋が光に包まれた。

「えっ・・・!これって・・・」

 某クララもビックリするようなフラグが立ったのだ。

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