第3話 カメラレンズ

 鳥が飛んでいる。

それを眺める少女。

それはとても美しかった。


 優奈は慣れた手付きで右ポケットからスマホを取り出した。

優奈:「じゃーあ、いつもの始めよっか??」

座敷わらしは首を横にふった。

「いや!」

座敷わらしは怯えた顔をして小さく震えていた。

他の女子や男子も罵声を浴びせ出した。

「嫌じゃねーよ!!やるんだよ」

優奈:「転校生くんもいるんだから私達に恥かかせないでよ」

男子の数人が座敷わらしの周りを囲んだ。

そして優奈は右手のスマホを構えた。

ピコッ 録画を始めた音だった。

抵抗する座敷わらしを押さえつけ服を脱がしだしたのだ。

「や、やめてください。お願いします。何でもするからやめて...」

優奈:「あんたのこれで結構稼げんの、みんなが見て興奮してるんだよー?喜べよ」

僕は見ていて胸糞が悪かった。でも何も言わなかった。というか言えなかった。前のトラウマが蘇り頭がズキリと痛む。

優奈:「あ、そ~だ!いいこと思いついた!!今日一日裸で過ごしてよ!!服は私たちが明日まで預かるから。あんたんち貧乏だから制服と体操服しかもってないもんね!」

「嫌!!返して!」

優奈:「あんた立場わかってんの??」

優奈は座敷わらしを何度も蹴った。

優奈:「ま、決まったことなんだしもういいじゃん!」

座敷わらしは蹴られたとこをおさえて何も答えられなかった。

優奈:「決まりね♡」

そして三時間目の終わりのチャイムが鳴った。


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