お前、誰でしゅか?

「まずは、仲間が欲しいですよね」

「合計三人だぜ?」

この世界に来て早々仲間ができ、

反転世界、やぶれた空間のある一室を会議室とし、俺達は作戦会議をしていた。ノボリは性が合わない堅物だと思ってたら、普通に馴染んでソファに座っている。

《まだ心当たりはある、が…そこまで行くには更なる仲間がいる》

「心当たりって?」

怪物ポケモンだ、人は符凛が仲間に入れろ。》

(やっぱ無茶ぶりじゃねえか)

「では黒曜の原野から順々に登るのが良いのではないでしょうか。」

《黒曜の原野…》

「強いポケモン、黒曜の原野って場所にいるの?」

《キングがいる》

「いえ、キングではなく、チュートリアルの意味も込めてなるべく危なくない場所からどうかと。」

(キング、レフトサイドライトサイドってやつだっけ。まあ絶対違うから聞こう)

「キングってなんだ?」

「シンオウ様、、創造神の加護を持ったポ○モンです。コンゴウ教団、シンジュ教団のどちらかが見ています…」

(ギンガ団、シンジュ教団、コンゴウ教団。このヒスイ地方の三大組織だな…あれ)

事前情報と少し噛み合わない気がするが、そこはスルーして、ノボリの話を聞く。

「けれど」

「けど?」

「最近、キングが何故か暴れだして、ギンガ団の一員にも支障が出たので、暴れを沈める方向で進めているいます…が」

「が?」

(なんか情報小出しにしてくるな)

《シンジュ教団とは良好、コンゴウ教団は不仲、親分怪物ポケモンをギンガ団の街に放ったテロ事件、怪物ポケモン乱戦のせいでな》

(そんなストーリーなのか…)

「ええ、コンゴウ団はそのいざこざがあるので、キングやライドをあまり任せたくないみたいです。」

「らいどってなんだぁ?」

「乗れる怪物ポケモンの総称、これもまたコンゴウ教団とシンジュ教団のどちらかが見ています。」

「へー」

一通りの説明を終えると、ギルティは声を強め、忠告してくれる。

《黒曜の原野はギンガ団本部も近いが、最初の場所が故、もう調査することは無いだろう…もし来たら絶対顔見せるなよ》

「ほいほい」

《あと、良い奴はいる。鏡で見た》

「鏡?」

《ああ、私は鏡や水面から現実世界確認を出来るからな》

(それどこのナニナニの実だよ…ワクワクしてくるだろ)

「じゃあ行くぞ、黒曜の原野!そのいい怪物ポケモンって所…」

いい切る前に穴にぶち込まれ、次の瞬間立っていたのは花畑の中だった。花畑にはポツンと、ノボリ、俺、そしてその怪物ポケモン。見た目でピンとくる、シェイミだ。

「お前、誰でしゅか?」

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