第9話  熱い夜 

 魔法の力で怪力になって、でルンルンと一日の仕事に精を出したキースとオーリは、街の中心部に戻ってきた。


「ブリスジンで一番豪華な宿って何処だ?」


「そこまで、豪華な宿には泊まれませんて……」


「そうなのか……? 何処なら泊まれる?」


「金狐亭なんてどうです?」


 金狐亭もまあまあ豪華な宿屋である。


「そこで良いゾ。案内しろ」


「僕だって、噂でしか知りませんよ。確か、大通り沿いにあったはずです」


「よしよし、行くぞ~」


 二人は腰で結ばれた縄のせいで、電車ごっこに見える移動をした。


 金狐亭に着いた二人は、持っていた有り金を全部はたいて、一番豪華な部屋を頼んだ。


「俺の部屋より、質素だな」


「これで十分でしょ!? 寝るだけなんだから!!」


「そうだな、寝るんだな……」


 キースは嬉しそうに言った。

 オーリは(しまった)という顔をして黙ってしまった。


 湯を用意してもらって、オーリは、三度目のキースの背中を流すことになった。


「ああ……今夜……俺の身体はお前に捧げられるんだな……」


「恐れ多いことです。王子様」


 夜も更けてきて、二人は大きなサイズのベッドに一緒入った。

 もちろん、服は身につけずに……

 二人ともやり方が良く分からなかったから、お互いのモノをなめ合った。

 そうしたら、オーリが先に膨らんだ。

 これで形勢が逆転した。

 キースは下に行き、愛撫を受ける側になった。

 それこそ全身に……

 キースの身体が火照ってきた頃、オーリがキースの中に入ってきた。

 ゆっくりと、確実に奥に。

 そして、ゆっくりと腰を振った。


 キースの中にオーリのものが放たれたのは、窓から月が良く見える高さになった時だ。

月に見られている気がして、とても恥ずかしかったのを、オーリは後年になっても覚えていた。


▲▽▲


 朝になってもキースは中々、目覚めない。

 オーリが、医者を呼びに行こうかと迷っていると、やっとキースは目覚めた。


「王子様!!大丈夫ですか!?」


「大丈夫なもんか!!尻にお前のイチモツがぶち込まれて、裂けるかと思ったぞ!!」


「ご自分のモノを僕に入れるよりマシだとお思い下さい。王子様のモノは王妃様に差し上げて下さい。」


「~~」


 キースは恨めしそうな目でオーリを見た。


その時、扉が開いて、グルルが入ってきた。


「王子様、お楽しみできましたか?」


「ちょっと、が違ったがな」

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