第5話 束縛彼氏※

「ただいま~」

帰るなり彼氏が詰め寄ってくる。

「遅かったね。俺を置いてどこに行ってたの?」

「別に......友達と買い物してただけだよ。」

もはや日常と化したその態度に私はそっけなく返した。

しかし、その態度は彼の怒りを煽ったらしい。

「なんでそんなに冷たいの? こっちは心配してるんだよ。もっと危機感を持ってよ......」

優しい言動の裏で、彼は私の腕を思いっきりひっかいた。

白く、細い腕に赤い線がついた。

「君は、僕のなんだから......」

大事なものを抱くように、彼は私を抱きしめる。

そんな彼氏を私は抱きしめ返した。

「心配しなくても、私はどこにも行かないよ。」

「うん......ごめん......」

「いいよ......」

そう言って私は彼から離れ、風呂に入ることにした。

鏡には、嫌でも私の腕が映る。

その腕は赤い線でいっぱいだった。

私は先ほどつけられた傷をなぞる。

ピリッとした痛みが走ったが、私は微笑んだ。

これは、彼の物である印なのだから......

彼は私を愛してくれている

同様に、私も彼を愛してる

ただ、暴力的支配に快感を覚えただけ___


これはDV共依存(?)のお話


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