第11話 昼食会
朝イチに飛んできたので、謁見が終わってもまだ午前中だった。その為、昼食会というとで一緒に食事を取ることになった。参加者は俺たち4人と、クリス=ウォルスター=ラドファライシス殿下?将軍?商会長?なんだか肩書きが多い人と、その義妹でラドファライシス王国の本物の王女(何て言い回しだ)のフェリシア=レミィ=ラドファライシス殿下だ。
「すみません、お昼まで戴いてしまって。」
「いえ、半分非公式とはいえ他国の王族の食事には細心の注意を払わなければいけませんから。」
うわ、王族って面倒なんだなぁ。
「我が王城の料理長が腕によりをかけた料理です。どうぞ、ご賞味ください。」
将軍王女会長が合図を出すと、料理が出され始める。とはいっても、毒見済みの冷めた料理だ。まあ、しかたないか。ここに居る6人中半分の3人が王族だからな。
「お口に合いましたでしょうか?」
「ええ、ここまで味わい深いものはあまりありませんわね。」
意外と冷めても美味しい……というか、冷めた方が美味しいものが出る。
「そういえば、ヤマト殿はアダマンタイト
将軍兼王女が質問をメフィにする。俺は食事に集中するから、王女同士で話してくれ。
「いえ、彼女とヤマト様が出会ったのは4~5日前ですわね。彼女の力を借りて我が国を救ったわけではありません。ヤマト様自身の強さと、ヤマト様の召喚獣たちのチームワークですわ。違法奴隷を産み出し、国家転覆をも考えていた公爵から私を助けてもらいました。その功もありまして私はヤマト様の婚約者になれました。」
メフィがそう言って顔を赤くしながら言う。
「すみません。申し訳ありませんが、確認させていただきたいのですが、ヤマト殿が次期王、もしくは王配になられるのでしょうか?」
クリス王女が突然そんなことを言ってきた……。ああ、そういえばメフィの弟が生まれたの2ヶ月前か。
「いえ、私がヤマト様に輿入れすることになっています。王位の継承は先日生まれた弟が継承する予定ですね。」
「あー、そう言うことですか。すみません、情報が古くて。」
「いえ、元々遠い国ですので、この程度の情報の遅延はしかたないかと。」
「そう言っていただけると助かります。」
そりゃあ
そんなこんなで前菜を食べていたら、部屋の奥から寸胴が現れる。……って、あれは!
「携帯コンロか!」
俺は思わず声を上げてしまった。
「どうかなさいましたか?」
クリス王女が俺に問いかける。まあ、俺がいきなり声を上げたから当然か。
「ああ、俺たちがこの国に来た用件ってのが、その携帯用コンロなんだ。それを買いに来た。」
俺はクリス王女に俺の用事を伝える。これさえあれば食堂車を作れるぞ。
「ええっと、この携帯用コンロをお求めになるためにこの国まで来たのですか?」
「はい!」
俺は食い気味に答える。
「ええと、携帯用コンロが欲しいのでしたらお譲りしますよ。シア、商会に1つ持ってくるように……。」
おおっ太っ腹!でもなぁ……。
「いえ、買わせていただきます。必要なのは1つだけじゃありませんから。」
1両に複数無いと困るからなぁ。
「えっ。」
クリス王女が少し驚くがすぐ納得顔になり提案をして来た。
「では、昼食後にクリスリッタ商会の方へ向かいましょう。他にも欲しいものがあれば用意させますので。」
あれ?これって俺が携帯用コンロ以外も買う予定だと思ってるな。
「……いえ、買いたいのは携帯用コンロだけです。数は1つだけでは足りないので買いますよ。」
クリス王女は困惑顔になる。そりゃあ携帯用コンロだけを大量にしいてようとしているからな。
「ええと、いくつほどご入り用で?」
まあ、数を聞くよな。ええと、1両当たり4~5口あると便利だよな。で、当面運行する長距離列車の数から考えると……。
「……そうですね、まずは4~50台は欲しいですね。」
第2期線が開業したとして食堂車が10両あれば運用できるだろう。それ以降は延伸予定が決まってから発注すればいいかな。国内の延伸が終わるまでには2~30両追加したいから、あとで追加発注しておこう。
=========================================
ラドファライシス側から見た話も「最強の王妃」に同時公開しています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます