第7話 新メンバー参入

 ドラゴンのデルモファシカルドと戦った結果、反則敗けをした俺は、勝ったドラゴンから求婚を受けた。


「なぜ問題なのじゃ?」


 人化して少女の姿になったデルモはぷくーっと頬を膨らませる。


「まず、種族が違う。」

「ヒトとドラゴンの子はおるぞ。」

「……。」

「……。」


 見つめ合う俺とデルモ。


「ところで、人間とフェンリルのハーフは?」

「おるぞ。」

「……そうか~。」

「人化はヒトに近づく技能じゃから人化が使える種族とヒトのハーフは作れるぞ。正確には人間に近い種族となるから問題ない。」

「そうなのか。」

「そうじゃ。」


 知らなかったな。


「次に、俺、異世界から来たんだが――――。」

「ん?異世界の者とこの世界の者の子孫は存在するじゃろ。」

「デスヨネー。」


 だって俺、この世界に来て転移者として驚かれたことないもんなー。


「……さすがに出会って間無しの人とはちょっと――――。」

「ふむ、ならば我がお主に好かれるようにすればいい訳じゃな。ならばお主に付いていくとしよう。」

「あーそうなりますよねー。」


 うん、こうなると知ってた。


「あと、一応婚約者がいるんで、そっちとも話しておかないとなぁ。」

「うむ、強者に番が何人もいるのは当然じゃな。」


 どうしてこうなってしまったんだろう……。




 俺たちは本部のある王都ドリスに戻る。


「と、いうわけで新メンバーのデルモファシカルドさんです。」

「ダークドラゴンのデルモファシカルドじゃ。こやつを惚れさせるためにやってきた。よろしくの。」

「……ダークドラゴンですか、あの。」

「ん?知ってるのか。」


 メフィは王女だけあって何か知ってるようだ。


「ええ、たしか6大龍の一角がダークドラゴンと聞いたことがあります。」

「ほう、よく知っとるの。」

「……まじで?」


 俺、そんなドラゴンと戦ってたのか……。


「お主に勝てるのは、ほぼおらんじゃろうな。」

「まじか!」


 俺ってそんなに強いのか。でもなぁ。


「ま、鉄道があればいいか。」

「……ヤマト様はぶれませんね。あ、デルモファシカルド様、私はここドリュフェス王国の王女でヤマト様の婚約者のメフィリア=レミー=ドリュフェスと申します。よろしくお願いします。」


 そう言ってメフィが挨拶をした。


「うむ、よろしく。我のことはデルモでよいぞ。」

「はい、デルモ様。」


 二人は握手をした。


「そちは?」

「ん。リン。旦那の嫁だ。」

「まだ婚約者な。彼女は鍛冶師で、線路や鉄道の台車、機関車や刀を作っている。」


 一応鉄道の延伸が一段落するまでは結婚するつもりはない。最低でもメフィが成人してからだ。


「よろしくの。リンも我のことはデルモで構わん。」

「ん。」


 頷くリンちゃん。


「本当にヤマト様はとんでもないことをしますね。あ、私はヤマト様の召喚獣でピクシーのミューといいます。デルモ様と呼んでもよろしいですか?」

「うむ構わんぞ。よろしくなミュー。」

「ちゅ~。」

”私は魔法ラットのシルベルズドウビスといいます。シルベスとお呼びください。私もヤマト様の召喚獣です。”

「うむ、よろしくのシルベス。我のこともデルモと呼べ。」

「先日お会いしましたが改めて。マルサロア鉄道の仕入れ担当のアモリシアです。アモリと呼んでください。王女殿下たちと違って社長の婚約者じゃありませんのであしからず。」

「そうか、よろしくのアモリ。」


 アモリとは3日前に王都に帰ってきたときに顔を合わせていたのでこういった挨拶になった。


「この面子がマルサロア鉄道の設立メンバーだな。正確には他にもミューの一族のピクシーたちとシルベスの仲間の魔法ラットたちもいるが……。」


 もっと言うと、ルナとリーフは鉄道建設に関してほぼ関わっていないし、メフィはまだマルサロア鉄道所属じゃない。


「役職的には、俺が社長、メフィがドリュフェス王国鉄道院総裁で、辞めたあとはマルサロア鉄道の外交部かな。アモリが仕入れ兼秘書、リンとシルベスが製造部でミューが保安部のトップになる。ルナとリーフは警備かな。」

「我はどうなる?」

「とりあえずは様子見で。適材適所で担当を決めるから。さて、デルモの紹介も終わったので、これからのことの打ち合わせをしようか。」


 実は当初からこの日にみんなを集める予定だった。今後の予定を決めるために……。

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