第6話 アリア魔道具店
さて、二日間予定が空いたのだが、どうしよう。
そう思いながら、1日目は魔道具屋に行くことにした。魔道具師Lv45のどう生かすか、技術を盗むため見てみたい。人間としての常識を教わってる二人をウリアさんたちに預けて、ミューと町に出た。
一度冒険者ギルドに行ってから、ギルド推薦の魔道具屋に来てみた。〔アリア魔道具店〕というらしい。そういえば、召喚獣のみんなの獣魔証っているのか?それも確認しよう。
「すみませーん。」
「はーい。」
店の扉を開けて、店員を呼んだ。来てくれたのは小柄な女性で、茶色の髪をして、そして、フサフサの尻尾が付いていた。あれは栗鼠か?
「あ、栗鼠の獣人に会うの初めてですか?」
驚いてると、店員さん慣れた様子でそう聞いてきた。
「ああ、そうなんだ。色々と見せてもらっていいかい?」
「ええっと……、尻尾とか?」
・・・いやいやいやいや。
「いやいやいや、商品のことですよ。ここは魔道具屋ですよね、キャバクラとかじゃないですよね。」
俺は慌てて手を横に振りながら商品を手に取り答える。
「ああ~~。そうですよね、商品も見に来たんですもんね。」
店員さんも慌てている。
「そんな漫才みたいなことしてないで、早く商品見せなさいよ。」
そんなあわあわした空気をぶった切ってくれたミューに感謝。
「冒険者ギルドでここの魔道具がいいと聞いて来たんですよ。」
「あ、そうなんですね。ここの魔道具は私が作っているので、冒険者の皆さんが買いに来てくれて助かってます。」
「そうなんだ。ところで、無知ですまないんだけど、獣魔証って召喚して従えた召喚獣すべてに必要かな?あと、形状は首輪しかないのか?」
魔道具を作ってるならそこら辺詳しいかと思い聞いてみる。召喚獣全員の分必要だったら、かなりの金額になるからなぁ。
「そうですね、獣魔証はすべての獣魔に着けなければなりません。形状は―――――。」
職人は、獣魔証を取りだし、首輪のタグの部分を指差した。
「このタグが獣魔証の本体なんで、あとの部分は取り付け用具としての機能しかありません。なので、形状は自由になります。首輪では首のない、もしくは首輪をつけれない獣魔にはつけれないので、この部分の形状は問われません。目立つところにある必要はありますが。」
なるほど、あくまでもタグが獣魔証なんだ。なら、みんなに好きな形で獣魔証を作ってあげれるな。
「ひとつ聞いてもいいですか?」
「はい、何でしょう。」
元気よく返事してくれた職人さんにミューを指差して。
「この娘に獣魔証を着けなきゃいけないんですが、聞いてもらって作れます?それと、いくつか用意してもらうこともできますか?」
「ええ、出来ますよ。いくつご入り用ですか?」
商機と見たのか即答したな。
「えーと、ミュー、何人いる?」
「あー、私を除いて60人ね。」
「60!?」
うわっ、職人さん驚いてる。だけど……。
「いや、一族全員でだよ。遠征できる戦闘員だけで60人なんだろ。」
「「!!」」
お、ミューと職人さんが目を見開いて驚いてる。理由は違うだろうけど……。
「一族全員分って、どれだけいるの……。」
「え、ああ、うちの一族は182人ですね。」
「それってミューも入れて?」
「あ、はい。入れてです。」
「じゃあ、リーフの分を入れて183個だね。」
「……ひゃくはちじゅうさん……。」
「ヤマト様、一生、着いていきます。」
うわー、ミューの目がキラキラしているー。逆に職人さんの目は死んでるし。
「難しいですか?」
「あー、さすがにその数だとしばらくかかるかな。」
呆然としたまま答える。
「具体的には?」
「私の力じゃ1日15個作るのが精一杯かな。」
ということは全部で13日かかるのか。最低限必要な62なら5日。締め切りは明後日。全然時間が足らない。ならば、やることは決まってる。
「じゃあ、俺に魔道具に関して教えてくれ。実は、〔魔道具師〕の
「…………は?」
ぽかんとする職人さん。あ、いつまでにって言ってなかったっけ。
「実は、明後日から仕事で王都を離れるんですよ。それまでにせめて62個はほしいので、〔魔道具師〕の
「いえ、製作自体はそこまで時間がかかるものではないんです。問題はMPです。私でも一日15個仕上げたらMP切れになるんです。あなたがどれだけMPがあっても、30個は無理だと思います。」
え、単にMPの問題?だったら、余裕じゃないかな……。
「えーと、店員さん。」
「あ、私、アリアといいます。」
「俺はヤマトといいます。実は、俺、異世界から来たチートでして、MPが1万を超えてるんですよ。」
「は、はあぁあ!?」
俺がぶっちゃけると、アリアさんから変な声が出た。
「どれだけMPを消費するかわかりませんが、200は余裕で作れると思います。」
「…………。」
あら、固まってる。そらそうだわな、
しばらく店にある魔道具を観察してると、アリアさんが復活した。
「すみません。想定外だったので。」
「俺もそう思います。自分のステータスが異常だと聞いて、そう感じました。だからですかね、今の依頼を達成したらアダマンタイト
「……あ、アダマンタイト
あ、またアリアさん止まっちゃった。
しばらくして、また復活したアリアさんに魔道具の作り方を教えてもらうことができた。
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