第12話
終わりが、どこにあるのかは、木の根や草木で覆われていてわからない
状態だった。
片瀬は、舗装された道路のすぐそばにあった、比較的太い木に片手で
全身を支えるようにして、階段の先や、小屋の様子を伺おうとしたが
草木は濃く覆い被さり、人の侵入を許していそうになかった。
片瀬が、小屋の様子を見るのを諦めて、支えていた手に力を込めて
反動を使って、舗装さてた道路に戻ると、先ほど出社したばかりの社員
だろう、見慣れない女が朝から不審な行動をとっていたことで、声を
かけてきた。
「どうかされましたか?」
「いえ。」
「こちらの社員の方ですか?」
「あ。はい。」
片瀬は、この社員にも警察手帳を提示して警察の捜査中であることを
伝えた。
この社員のは、山本と名乗り、今日は、遠方まで配送の仕事があり、
早めに出社したとの事だった。
山本に、この下にある古びた小屋は、何んなのかと、問いかけたが、
ここに勤めだした時からあり、気にしたことは無いとの回答だった。
片瀬は、山本と名乗った。社員に礼を言い。
まだ、事務所にいるだろう宮崎に話を聞くことにした。
宮崎は、山本が出社したことで、配送に荷物の確認の為だろうか
事務所ではなく、トラックの搬入口で、ファイルを手に荷物の数を
数えている最中だった。
片瀬は、宮崎に再び、声を掛け、古びた小屋について聞いてみた。
「あの小屋ですか。」
「あの小屋は、ここが、まだ、石切り場だった時に見張り所だったん
じゃないですかね?」
「詳しいことはわかりませんが。今は使う事もないただ、朽ち果てた
小屋ですけど、あの小屋に何かありましたか。?」
「あの小屋に、降りて行くにはあの階段を降りるしかないのでしょうか?」
「さぁ。私もあそこには降りたことはありませんので、わかりません。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「たびたび失礼しました。」
宮崎と山本に詫びを入れ、倉庫の敷地を後にした。
元石切り場の坂を下りながら、片瀬は、何の証拠も残さず昨晩一体
何の為にあの黒塗りの車は、ここに一体、あんな夜中に何をしに来て
いたのかを考えていた。
石切り場の坂を下り切り、署に戻るか、まだ、周り切れていない
拳銃を保有していそうな組事務所が何処だった考えながら運転して
いると、少し前に休憩したコンビニの前を通りかかった。
明け方には、会社に向かうサラリーマンなどが、朝食なのか昼食なのか
飲み物や、食糧などを買い求めていたが、今は昼前という事もあるのか
数人の客が来店しているように見えた。
そこへ、自転車に乗った4人の外国人。
多分、出稼ぎ外国人らしき4人組がコンビニの駐車場に、入って行くのが
行くのが見えた。
この辺りにも、海外からの教育実習生が雇われている所がある様だった。
片瀬は、署には戻らずに、2個所の組事務所の監視をしながら今日の
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