第10話
「倉庫内を、見せてやってくれと言われたんで、私もついさっき来た
ばかりなんですが、私は、何をすればよろしいんですか?」
「ありがとうございます。 いえ、勝手に見て周るだけですので。」
「倉庫内と工場周辺も少し見せていただきたいので。」
「因みに、坂の下の門のカギをお持ちの社員さんは、分かりますか?」
「そうですねぇ。」
少し考えて。
「私と、私が休みの日に倉庫を開ける為に、開けるカギが会社に、ある
くらいだと思いますが。」
「そうですか。」
「では。!!」
「失礼しました。私は。」と言って、
警察手帳を右手に持ち、肩くらいまで掲げて自分の名を告げた。
「片瀬です。」
「あ。はい。私は倉庫を管理しています。宮崎です。」
「申し訳ございません。挨拶が遅くなってしまって。」
「何かあったんですか。?刑事さん?」
宮崎と名乗った、この男は。鈴木からは何も聞いて無い様だった。
片瀬は、宮崎の質問には答えずに質問を続けた。
「ここに入ってくる間には、監視カメラと思われれる物は見当たり
ませんでしたが、監視カメラはないんですか?」
「夜に、扉や、トラックの搬入口にはセンサーが付いているので
何かあれば、警備会社から連絡が会社と私の所に入りますので。」
「そうですか。」
「それでは坂下の鉄の門にも、カメラやセンサーは無いのですね。」
「はい。」
「そうですか。」
そう言って、片瀬は、扉の方をそれとなく、振り向き扉の横に
貼ってある警備会社のシールを確認した。
「確認したいのは、倉庫とこの周りだけでいいですよね。」
「では、倉庫から案内します。」
片瀬は、できれば一人で見て周りたかったが、早く出社してやることが
ないのか、宮崎にも何か質問しながらでも情報がもらえるかもしれないと
思いそのまま、宮崎の後に続いた。
倉庫内は、2トントラックの積み荷の時にスムーズに作業が行えるように
商品は一段上がった所に置いてあった。
商品は高い棚に積み上げられていて、数はそんなに多くはなかった。
通路は、その割に広く配置されていた。
倉庫内には、怪しい所は見当たらなかった。
宮崎が、事務所も見るかと言ってきたので、見てみたが、怪しい所は
見当たらなかった。
片瀬は、倉庫周辺の捜索は一人でやらせてほしいと言って。
倉庫の周辺を片瀬一人で捜索した。
倉庫の周辺は、あまり手入れされているとは言えなかった。
倉庫は、石切り場の跡地であることを物語るようにそそり立つ
断崖にぎりぎりまで迫った作りになっていて、裏側には回り込めなかった。
今、見てきたのは倉庫の正面右側面で、配送トラックの搬入口の横に
あたるなのだろう、倉庫の外壁と樹々が生い茂っているだけだった。
仕方なく、片瀬は、駐車場に一度戻り、まだ見て周っていない、倉庫
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます