第2話

「なんだよそれ、 断れよ、 そんな の。」

「ダメです。タレコミが本当か確認しないと赤田さんにドヤサレますよ。」

「じゃその課長様からのご命令の確認作業終らせに行くわよ。」

「片瀬さんは車でパンを食べちゃっててください。」

「アンタ。一人で行けんの?。」

「片瀬さんが来ると目立つんですよ。」

「なんでよ。カップルが今から何処行く?って感じで居ればいいんでしょ。」

「確認だけなんで、サラリーマンが暇つぶし、してるって感じの方が

 良いんです。」

「そっか~。長身の女と。良い所を探す方が難しい男が昼真っから、

 待ち合わせってのは、無理があったか。すまん。いっといで。」

 小林は、いつもの高級感の全くないスーツに、用意していた書類ケースを

 小脇に抱えて車を離れた。

 片瀬は、小林が駅前にあるモニュメントの前で時計を気にしながら

 キョロキョロ辺りを見渡したている姿を見ながら、パンを一口頬張り。

「小林、溶け込むね~。」

と呟いて、缶コーヒーを一口啜った。

小林の方に向き直ると、小林が学生風の男にアンケートらしき物を

頼まれていた。

「溶け込みすぎだろ、小林。 (笑)」 

小林は手でイヤイヤをする様にしながらペコペコとその学生に頭を下げて

謝りながらも辺りに目を向けていた。

学生風の男は、アンケートらしきノートを持って足早に去っていった。

しかし、会議の時間が迫ってきたので、タレコミの確認という簡単作業を

収穫ゼロという結果で赤田課長に報告する事になった。

署に戻り、小林は課長に報告するというので足早に署内に小走りで

入って行った。

小林から、課長に報告する。

「課長。駅前の件行ってまいりました。」

「ううっん。で、タレコミはどうだった?。」

「それが、駅前にはそれらしい人物は現れず、取引を行っているという

事も起きませんでした。」

「ガセだったと?。」

「はい。」

「・・・そうか。わかった。」

「おはようございます~。」

片瀬は、一足遅れて自分のデェスクの近くに姿を現した。

「ん!片瀬か。お前の報告も聞いておこう。」

片瀬は、自分のディスクから小林の隣まで移動し

「はい。私は、車に居ただけなので。」

「じゃあ。おまえも怪しい者は見てないんだな。」

「まぁ~?。そうですね。」

「わかった。」

片瀬は報告を終えて自分のデスクに戻った。

そこへ報告書を作成するために、小林が報告書を持って来て言った。

「片瀬さん、何か引っかかる事でも、あったんですか?」

「ん?うん。ちょっとね。」

「なんですか。その気になる事って。」

「お前にアンケートみたいの聞きに来た学生風の男の子、居たろ?。」

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