女性刑事 片瀬
ロロムノムム
第1話
片瀬と小林は天気の良い昼下がりに、駅前で車を停め車内で片瀬の
遅めの朝食を取っていた。
「片瀬さん。いつものヤツありませんでした。」
小林は車に乗り込むなり片瀬にメロンパンと缶コーヒーを渡した。
渡された商品を見て片瀬の好みのメロンパンでは無い事に気付き
小林を睨み付けながら、メロンパンを掲げながら言った。
「こ~ば~や~し~。無いなら、探してこいよ。何処のコンビにでも
売ってるだろメロンパンくらいさぁ~。」
「今日は、そんな暇ありません。」
「はぁ~?。なんで。」
「今日は22日ですよ。」
「うそ!。ならなんでこんな所いるのよ。早く署に戻りなさいよ。
今日はもう、半年も追ってる、あの山の会議がある日でしょ。」
「ダメです。」
「なんでよ。」
「昨日、僕だけ今日の会議の書類作成に駆り出されてたじゃないですか
そこで、赤田さんに明日、片瀬さんを拾ってから、駅前でタレコミの
確認をして来いって言われてるんです。」
「タレコミ確認してから私を起こしに来なさいよ。」
「昨日は、旅行代理店のガサ入れにヤクザと、アフリカ系ギャングの
抗争と全国指名手配犯の確保で寝たの朝方なんだから。」
「片瀬さんがすぐに起きてきてくれるなら、そうしますけど。いつもいつも
僕が片瀬さんを1時間掛けて起こしてるじゃないですか。」
「急ぐ時は、電話するだけじゃ起きないって、知ってるなら
直接起こしに来なさいよ。」
「イヤですよ。」
「なんでよ。」
「コンビ組まされた当初は、言われた通りそうしてましたよ。
でも起きてきてくれないじゃないですか。」
「だから、部屋の鍵を渡してる。」
「その鍵を使って起こしにいったら、寝ぼけて頭突きに、
蹴りに肘打ちですよ。頭部3針、肋骨骨折、片瀬さんは頭から血を流し、
肋骨折られている僕を尻目に、大鼾でまた爆睡。
自分で病院行ったんですからね。」
「組まされたって。イヤイヤ、組んでるのかよ。」
「刑事としては、何度も表彰もされた事もある片瀬さんの事は尊敬もして
ますよ。男にも負けない腕っ節、銃激戦での射撃の腕とその知識。
見習うところも多いです。でもなぁ~。」
「でも、なによ。」
「あっ!。」
「そろそろ、来る頃だな、片瀬さんはパン食べちゃって下さいね。」
小林は腕時計を確認すると、片瀬を置いてさっさと車から出ていった。
片瀬は、パンの包みを開けるために両手がふさがっていた為、
慌てて、車の窓を下ろしながら、叫んだ。
「待て!!。課長に頼まれたタレコミの確認て大体、なんなのよ。」
「はい。この駅前の雑踏の中で薬物の取引があるらしいです。」
「なにそれ?なんで私たちがそんなタレコミの確認作業なんか・・・」
「知りませんよ。片瀬さんが、昨日のガサ入れで会議に出てなかったから、
赤田さんが、「<お前暇だろう>って押しつけられたんです。」
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