文フリ東京だったんだ という話

昨日は文フリ東京があったんですね。TwitterのTLで言及されていたので「そっかぁ」と思いながら見ていたのですが、首都圏を離れてからこうした即売会的なイベントからは縁遠くなってしまいました。地方はやはりその点世知辛いですね。


かつては同人アンソロジーに参加したりもしていたのですが、今はどちらかというと個人作品に注力している状況なので、今後もあまりそうしたことには不参加の方針で行くかもしれません。


個人作品への注力といえば、いま新作長編を書いています。9月から書き始めてすでに4万字以上書いており、筆のノリはここ数年以来ひさびさの上々です。独裁国家を舞台にし、検閲と出版と思想の自由について描く下品でナンセンスな作品になる予定です。世界観の元はジャン・ピエール・ジュネ監督の『デリカテッセン』です。


カクヨムコンへの参加如何についても、「不参加」となります。作風が絶対にカクヨムコンに合わない上に、性格がひたすら悪い人間たちによる罵詈雑言が飛び交う作品なので、これまでの自作にあるようなある種の潔白さが全くありません。つまり人に受ける要素ゼロで書いています。悪しからず。


ここだけの話、普段の自分はとっても皮肉屋です。多くの作品には底意地と性格の悪さを投影しないようにしているのですが、その新作は「すごくらしくない作風だな」と思いつつも、この書き味が個人的に刺さるものになっていて好感触です。例のごとく内容は全く低俗ではありませんし、基本的に全方位に向けて敵を作るものになっています。


自作に「独裁国家三部作」のタグを付けているものがありますが、世界観を同一にしているので、興味のある方はご覧ください。


また最近、資料として活用予定のアンデシュ・リデル『ナチ本の略奪』(国書刊行会)、およびジェフリー・ロバーツ『スターリンの図書室』(白水社)を購入しました。ジョン・ミルトン『アレオパジティカ』(岩波書店)が本命だったのですが、書店にないので仕方なくAmazonで入手。


文フリに話がまた戻りますが、なにか本を手に入れたいとき「そこに行って、あった」という経験は、ネットからの購入では得られない感動があるものです。


ここ最近県外に遠出をする機会が多く、方方を巡るうちに「出会いの値打ちは経験しないとわからないもんなあ」という思いを新たにした次第です。

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