ダイ2ヮ 科学準備室
パタパタパタパタ、ぱたぱた
スリッパの音が廊下に響き渡る。
怖くなって引きかえした
少し外の空気を吸おうかな。
キラキラ輝く雪は白くてきれいでかわいくて、
なんだか少し心が軽くなった。
ありがとう
科学準備室に向かうことにした。
同じタイミングでもうひとりの人が入ろうとしていた。
カバンを持っていないことから私とは違いこの後もなにか用事がありそうな感じがした。
日頃から人間観察を趣味という尋常じゃない性格の悪いことをしていた私なりの推測だった。
少しだけタイミングをずらして先をゆずった。
その男子生徒は、身長は高くないし、太っているわけでもなく痩せているわけでもなく。
表現しづらいけど、無印男子って感じの人だった。
下を向いて歩いていたからかはわからないけれど、入り口とは逆のドアを開けて開けた先には机があって入れないようになっていた。
私は無意識に
「ドアこっちだよ」って言ってしまった。今日始めて発した言葉がこの言葉だった。
男の子は「あ、ありがとうございます。」
と言って中へ入って行った。
赤ー5
学ランについているピンは同じ学年の色だった。
うちの学校は色と数字で学年とクラスがわかるようになっている。
しばらくすると男子生徒は出てきた。
次は私の番なので科学準備室へと入った。
中に入ると身長150センチの先生がいつも最初に元気??と聞いてくる。
正直なんでいつもの第一声が元気??なのかはわからない。
その先生はとても優しい先生でいつも心配してくれる。
中学校の時理科はどちらかと言うと好きな教科で学年トップだったこともあった。
だが今では、欠点の代表選手だ。
「最近特に元気ないように見えたけど今日は元気そうでよかった。」
どこからげんきそうに見えたんだろう正直いつもと変わらない一日を過ごしただけ。
果たして一体どこがいつもと違ったんだろう。
私はどこを間違えてしまったんだろうかな
まず科学準備室に入ってから一言も発していないというのにどこから元気だとよみっとったんだろか。
「どうしたの、なんかいいことあったの???」ニヤニヤしながら先生は私にそう聞いた。
私は動揺を抑えきれずに首を横にふった。
「ふーんまあ元気な姿見れてよかった。」
私は縦に首をふった。
「ところでなんだけどね、あなたのテストみて私気づいたことがあってね、あなたの回答用紙見たらほとんどの問題途中やめしてるんじゃない??ホントは理科得意でしょ??」
私は横に首をふった。
「学校楽しい?」
私は返事をしなかった。
「誰か一人でもいいから信頼できる人をつくるのもいいと思うよ。できないなら私もいつでも相談乗るし、それを言いたくて今日よんだんだ。とにかく一人で抱え込まなくてもいいんだよ。」
私は首を縦にふることしかできなかった。
そして科学準備室を後にした。
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