東京魔法エネーブル

1 リベート

　魔法という不確かなものを、科学は実現させた。

　スマートフォンに魔法というプログラムを記憶させ、魔力（マインド）を消費することで、魔法という奇跡の力は実現した。

　しかし魔法の使用区域が定まっており、それ以外の場所での魔法の使用は禁止とされている。

　東京魔法結社は、生徒である魔法使いを募集した。

　高度な魔法訓練を学べると、入試を受けるために、日本全国から志願者が集まった。

　審査基準は、魔力量と魔法の練度、学力である。

　学力よりも魔法の練度、それ以上に重要なのが魔力量と考えられている。

　その観点から、東京魔法結社への入試を通過できる人間は限られている。

　推薦入学の決まった幼馴染みを、羨ましく感じながら、私は今日、入試を受けるために上京した。