化物伝-頭の中の悪魔-

七星北斗(化物)

プロローグ 準備中

 私は化物である。


 そして、私の頭の中には悪魔が住む。その悪魔は、私を否定する言葉を述べる。だから悪魔なのだ。


 貴族の四女に生まれた私。特に不自由をすることもなく育った。


 しかし私は、白髪の髪色で生まれた。


 この世界での白は神様を象徴する色らしく、神様の子だとか、聖女とか言われて、とてもめんどくさい。


 私が化物である理由は、なんとなくなのだ。髪色が白を除けば、確かな理由があるわけではない。


 周りと違う、そんな価値観から、化物だと考えるようになった。


 私はどうやら、魔法の才能があるようで、空間魔法や赤、緑、青、黒、白、黄の属性魔法が使える。


 空間魔法を応用することで、テレポートや、際限なくあらゆるモノの出し入れができる。


 頭の中の悪魔は、今日も告げる。


 剣や魔法の鍛練をしろとか、行動の一つ一つに文句と小言を言う。


 悪魔を無視すると、精神攻撃をしてくる。


 私は男性が苦手だ。そんな私に、裸の男の描写を、悪魔は私の頭の中に送ってくる。


 描写を送られた私は、おろろろっと、嘔吐物を吐く、それくらい苦手なのだ。


 教会で悪魔払いの処置を受けたが、まったく効果がなかった。


 高額なお布施をすれば、高位の悪魔払いを受けられるらしいが。いかんせん、おこづかいの範疇を越えている。


 一時的にでも、冒険者にでもなって、お金を稼ごうかと思う。


 最近は、サイコパスな友人のスキンシップがやたら激しいのも悩みの一つである。


 サイコパスな友人は、もちろん同性だ。


 私のダラダラタイムと安寧のため、悪魔に反逆の機会を窺う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

化物伝-頭の中の悪魔- 七星北斗(化物) @sitiseihokuto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ