第10話

 目が覚めたのは日が高くなってからだった。

 よく寝たせいか、私はすっきりとした気分で起きることが出来た。

 というか、いつの間にベッドに来たんだろう。

 そういえばレオが運んでくれたような気がしない事もなかった。

 右手に何か握っていることに気付く。

 見るとそれは、昨晩レオが着ていたものに間違いなかった。

 急に夕べの事がフラッシュバックする。

 私、自分からレオにキスを迫ったような…

 サーっと血の気が引くのが分かる。

 昨日の朝との既視感を感じるが、今日私の隣にレオはいなかった。

 安心して胸を撫でおろすと同時に、夕べまたやらかしてしまったことにへこむ。

 レオの抜け殻を見つめながら、大きなため息が出るのを抑えることはできなかった。

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