第42話 旅立ち

僕が先生の家に着くと、レオンとマリーは既に準備を終えていた。


「おはようルーク!今回の件はルークにも世話になったね。本当にありがとう!」


「ルーク、あなたはとても賢いけど、無茶だけはしちゃダメよ。その力でこの森を守っていってね。」


レオンとマリーは、僕の気持ちなど知りはしない。

戸惑っている僕を見て、先生は目を細めながらこっちを見つめてくれた。


『レオン!マリー!獣人の嗅覚なしでどうやってこの森を出るつもりだったのさ。』


恥ずかしがりながら言う僕を前に、2人は顔を合わせる。

そして何かを理解したのか、2人は笑い合っている。


「あら?ならルークが森を案内してくれるの?」


マリーが少し意地悪に僕へ問い尋ねる。


『もう!2人ともからかわないでよ!僕らもう仲間だろ?ついて行くに決まってるじゃないか!』


「本当かい!?ルーク!?君がいてくれたら僕らも頼もしいよ!」


レオンの問いかけに、僕は笑って頷く。


「決まりね!ならさっそくブロリセアンドへ向かいましょう!こうしている間にも、モンスターはどんどん増え続けているわ!」


…空には眩いばかりの太陽が登り、幾多の星々が輝きを失いつつある。

僕ら獣人も、闇夜に点滅する一瞬の光のような存在なのかも知れない。

けれど、夜はまたやってくる。

その時僕は、誰かの指針になるような、そんな強い輝きを見せれたらいいな、と思い村を後にするのだった。

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ワイルドフリッカー かぬち まさき @jhons

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